上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
目次

最終話
40 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:00:08.62 ID:MiMpwyNz0
第七話【朱】




ξ;゚⊿゚)ξ「ハァ……ハァ……ブーン、あれ!」


橋の脇に二人。
白と黒の服装に、銃を構えている。
こちらに気づいたようだ。
無線で何やら連絡を取っている。
僕はポケットの拳銃を握りしめた。
しかし彼らは銃を下ろし、道を開けた。


「連翠に来いだそうだ。この先の宮殿にある」

( ^ω^)「ありがとうございますお」

「なんの用事か知らないけど、さっさと済ませて帰れよ」


人の良さそうな若い男が言った。
彼も誰かを殺したのだろうか。

41 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:01:37.98 ID:MiMpwyNz0
( ^ω^)「静かだお」


僕らの他には、人のいる気配は全くない。
夕日に染まった皇居は綺麗だった。


ξ゚⊿゚)ξ「どうしてこんなにも人がいないのかしら」

( ^ω^)「きっと、みんな疲れたんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「ふざけてるの?」

( ^ω^)「ふざけてないお」


その時、一発の銃声が静寂を破った。

44 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:04:10.03 ID:MiMpwyNz0
~~~~~~

从 ゚∀从「高校生ぐらいのやつが二人? どうするショボン?」


息子だろうか。


(´・ω・`)「通していいよ。この部屋に来るように伝えて」

从 ゚∀从「あいよ。連翠に来るように言っとけ」


まさか本当にここまで来るとは思ってもいなかった。


从 ゚∀从「あんたの息子だろ?」

(´・ω・`)「たぶんね」

从 ゚∀从「はぁー。親子水入らずでお話ってわけだ。俺は邪魔ものかな」

(´・ω・`)「そんなことないさ。君にもぜひ彼に会ってほしいよ」

从 ゚∀从「いやいや、俺にはそんな偉い話もできないし」


ハインは拳銃を取り出した。

46 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:05:55.60 ID:MiMpwyNz0
从 ゚∀从「初めて会ったの、いつだっけか」

(´・ω・`)「高校だよ」

从 ゚∀从「あー、そうだ。懐かしいねえ」

(´・ω・`)「うん」

从 ゚∀从「学校一の天才のあんたと、学校一バカの俺」

(´・ω・`)「他から見たら変な組み合わせだろうね」

从 ゚∀从「だろうな」


ハインは自嘲的に笑った。

47 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:07:22.04 ID:MiMpwyNz0
(´・ω・`)「ほんと、あの頃は楽しかったね」

从 ゚∀从「体育科職員室に放火したこともあったな」

(´・ω・`)「そんなことしたっけ?」

从 ゚∀从「『体育なんてマチズモの塊は、この世から消してやる!』って言ってただろ」


僕は噴き出した。
昔の僕はそんなだったのか。


从 ゚∀从「結局俺だけがバレて、あん時生徒会長だったあんたが救ってくれたんだよ」

(´・ω・`)「ああ、あったかも」


48 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:09:07.08 ID:MiMpwyNz0
从 ゚∀从「俺、嬉しかったよ」

(´・ω・`)「?」

从 ゚∀从「あんたは学校一の天才だろ? それが他の秀才とかじゃなくて俺を誘ってくれたんだからな」

(´・ω・`)「あれをやろうって言ったのは君だろ?」

从 ゚∀从「ちげえよ。ほとんどの悪戯はあんたの提案だよ」

(´・ω・`)「そうだったっけ?」


僕らは昔のように笑いあった。

49 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:10:21.26 ID:MiMpwyNz0
从 ゚∀从「とにかく、俺は嬉しかった。そして今回も、俺を誘ってくれた」

(´・ω・`)「当然さ。一番に誘ったよ」


从 ゚∀从「バカな俺をこんなことにまで誘ってくれて、本当ありがとな」

(´・ω・`)「親友じゃないか。頭いいとかバカとか関係ないよ」

从 ゚∀从「うん。ありがとな」


ハインは目を擦った。

51 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:12:36.85 ID:MiMpwyNz0
从 ゚∀从「もうすぐ息子が来るんだろ? 俺は邪魔だろうから、先に行っとくよ」

(´・ω・`)「わかった」


ハインはこめかみに銃口を当てた。


从 ゚∀从「あんまり親友を待たせんなよ?」

(´・ω・`)「いつも待たせてたのは君だろ?」

从 ゚∀从「そうだったな」


彼は笑って目を閉じ、引き金を引いた。
僕は椅子に腰掛けた。
射し込んでくる夕日と親友の血で、部屋は朱に染まる。


(´・ω・`)「この景色、君と見たかったよ」



しばらくして、戸が開いた。

52 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:13:56.89 ID:MiMpwyNz0
~~~~~~


(´・ω・`)「やあ」


父は椅子に座っていた。


ξ゚⊿゚)ξ「この人……」


ツンが床に倒れている男を見て呟いた。
僕に銃をくれたあの男だった。


(´・ω・`)「よく来たね。一緒にいるのは彼女かい?」


ツンは父を睨んだ。


(´・ω・`)「2人でここまで来たのか。大変だっただろう? よく頑張ったね」

(´・ω・`)「何か聞きたいことがあるから来たんだろう?」

54 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:15:37.46 ID:MiMpwyNz0
( ^ω^)「どうしてだお? どうして父さんがこんなことを」


父は深く息をはき、僕を見つめた。


(´・ω・`)「ブーン、この国は生という生温い空気の中で腐っていたんだ」

(´・ω・`)「だから、僕らは死というアンチテーゼでこの国を救おうとしたんだ」

( ^ω^)「人を殺すことが、国を救うことになるのかお?」

(´・ω・`)「一度崩れた物が再び安定したとき、その安定はさらに高次の物になるんだ」

(´・ω・`)「だから、だれかがこの国を崩さなきゃならなかったんだよ」


父の目は真剣だった。
僕の前にいる父は、何も変わらない僕の父だった。

55 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:17:23.58 ID:MiMpwyNz0
(´・ω・`)「聞きたいことは終わりかい?」

( ^ω^)「……」


僕は父を殺すつもりだった。
でも、それはできない。
父が、父のままだったから。


(´・ω・`)「なら次は君の番だね」


父がツンを見つめた。
ツンは、震える腕で拳銃を構えていた。


56 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:19:53.66 ID:MiMpwyNz0
(´・ω・`)「ハインに貰ったのか。気に入った奴を2人見つけたって言ってたな。僕を撃つのかい?」


ツンは返事をしない。
目に涙を浮かべ、ただ父を睨むだけだった。


(;^ω^)「ツン!」

(´・ω・`)「ブーン、いいんだ」


父が僕を制した。


(´・ω・`)「君は正しいよ」

ξ#゚⊿゚)ξ「うるさい!!」


ツンが泣き叫んだ。

58 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:22:13.09 ID:MiMpwyNz0
ξ#゚⊿゚)ξ「おまえのせいで、お母さんも、妹も、みんな……!!」

(´・ω・`)「……」

ξ#゚⊿゚)ξ「殺してやりたい!殺してやりたいのに!」


銃声。
父の肩から血しぶきが上がった。


ξ#;⊿;)ξ「ああああああああ!!!!」


ツンは拳銃をその場に落とし、膝をついた。
僕は泣きじゃくる彼女の傍により、肩を抱いた。

59 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:23:39.37 ID:MiMpwyNz0
(´・ω・`)「ブーン、彼女を連れて帰りなさい」

( ^ω^)「父さんは?」

(´・ω・`)「僕は償いをしなきゃだから」


父は部屋の隅に置いてあったポリタンクを持ち上げ、中身を被った。


(´・ω・`)「いきなさい」

( ^ω^)「わかったお」



轟音と共に、父は炎に包まれた。
父は炎の中で、微動だにしなかった。
断末魔すら上げず、じっと座っている。
僕は父の最期をしばらく見つめ、ツンを連れて部屋をあとにした。

60 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:25:44.56 ID:MiMpwyNz0
( ^ω^)「ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「なによ」

( ^ω^)「父さんを殺さないでくれて、ありがとうだお」

ξ゚⊿゚)ξ「ずっと殺すつもりだったのよ。この事件を起こしたやつを殺してやるって。それでも?」

( ^ω^)「だからこそだお。ツンはやさしいお」

ξ゚⊿゚)ξ「変なやつ」


ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、泣いてる?」


火の手が上がる宮殿を背に、ツンが呟いた。

62 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:27:20.03 ID:MiMpwyNz0
( ^ω^)「泣いてないお」


僕は目をこすりながら答えた。
終わった。

僕は生きている。
だけど、大勢の人が死んだ。
父が死んだ。
僕が心から尊敬し、こうありたいと願った父が、死んだ。
テロを起こし、最終的に自ら命を絶って。

父は死んだ。
でも、この国は息を吹き返した。
きっと。

63 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:28:35.45 ID:MiMpwyNz0






【エピローグ】

65 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:30:49.26 ID:MiMpwyNz0
「黙祷」


さっきまで騒がしかった体育館に、音一つ無くなった。





( ゚∀゚)「校長のやつ、話長すぎだよな」

( ^ω^)「しかも噛みすぎだお」


教室に戻り、席につく。
黒板の横には五枚の写真がある。
しぃとギコの写真もそこにあった。

66 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:32:40.36 ID:MiMpwyNz0
( ^ω^)「あの二人、ほんとはすごく仲良かったんだお」

('A`)「おまえとツンには負けるけどな」

( ゚∀゚)「で、もうやったのか? ん?」

(;^ω^)「バカなこと言うなお。こんなことツンに聞かれたら……」

ξ゚⊿゚)ξ「私に聞かれたら?」

(;^ω^)「ひぃぃぃぃ!! 出たぁ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「なによ、人を化け物みたいに。なんの話をしてたの?」

('A`)「口が裂けても言えません」

ξ゚⊿゚)ξ「ふーん。まあいいわ」

68 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:34:52.77 ID:MiMpwyNz0
( ^ω^)「そうだお! 今日一緒にスタバで勉強しないかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「スタバ? 別にいいわよ」

( ゚∀゚)「おい、俺も行くぞ!」

( ^ω^)「ジョルジュは隣の組のつーでも誘ってろお」

( ゚∀゚)「ああ、その手があったか」

('A`)「俺は親友だから着いて行ってもいいよな?」

( ^ω^)「ドクオはキモいからダメだお」

('A`)「……」

69 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/19(木) 00:36:42.02 ID:MiMpwyNz0
あれから一年がたった。
僕らは迫り来る大学受験に焦る毎日を送っている。
外を見れば、数万の人間が毎日毎日同じように働いている。
でも、この国の人々はもう知っている。
死はいつどんなところにも潜んでいることを。
人はいつ死ぬかわからない。
だから、人を愛せるし、精一杯生きることができる。
人は死ぬから、人は生きるんだ。





終わり







  
NEW / TOP / OLD
★僕の小規模なブーン系生活  ★Author→小規模/ブーン系生活

  ★Designed by MACAREO
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。