上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
総合短編
98 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 03:02:18.07 ID:7HZ34ePoO
全国的に朝です。
季節は春。
少しばかり肌寒さを感じますが、澄みきった青空を見上げて清々しい空気を胸いっぱいに吸い込めば、寒さくらいへっちゃらです。

l从・∀・ノ!リ人「卵焼きは甘くなきゃ嫌なのじゃー!!」

申し遅れました。
私、流石家長女の妹者と申します。
長女と言っても、私の上には二人の兄があるのです。
ですから、実際は三男坊と言ったところでしょうか。

l从・∀・ノ!リ人「牛乳は温めて砂糖をいっぱい入れるのじゃー!!」



101 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 03:05:19.91 ID:7HZ34ePoO
はい。
お察しの通り、大の甘党でございます。
朝食からして、甘い卵焼きに甘いホットミルク。
主食はハニートーストという始末。
さらには食後のデザートに、ハーゲンダッツアイスクリーム抹茶味のおまけ付き。

l从・∀・ノ!リ人「あの粉っぽさがたまらんのじゃ!!」

抹茶をアイスにした人は本当に偉大です。
あの苦い苦い抹茶をこんなにも美味しく頂けるとは、かの千利休も思い及ばなかったことでしょう。

('A`)「何故太らない」

l从・∀・ノ!リ人「体質なのじゃ」

('A`)「糖尿病って知ってる?」

l从・∀・ノ!リ人「新手のお菓子メーカーなのじゃ!!」

('A`)「嫌だよ、そんなメーカー……」



103 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 03:08:37.28 ID:7HZ34ePoO
この殿方はドクオさんと申しまして、たった一人で暮らす私を世話してくれる、兄達の親友です。

l从・∀・ノ!リ人「ドクオも太らないのはおんなじなのじゃ」

('A`)「いや、そうだけどもさ……」

そうです。
このお方が太る事はあり得ないのです。
何故ならこのお方は……



('A`)「俺も生身だったら、間違いなく太りまくって糖尿病で死ぬ」




ロボットなのですから。





('A`)残されるようです


104 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 03:11:08.47 ID:7HZ34ePoO
失礼致しました。
ロボットと言っては、語弊があるかもしれませんね。

l从・∀・ノ!リ人「でも、顔とか胸とかは太るかもしれないのじゃ」

('A`)「いやいや、俺は内臓が無いからね。 食べても意味無いからね」

完全に機械の身体ではなく、胸から上は人間です。
サイボーグ、というやつです。

l从・∀・ノ!リ人「でも、味はわかるのじゃ」

('A`)「ベロは自前だからね」

健全な男子の皆様ならば、一度は憧れた事があるでしょう。
ドリルとロボは男のロマン!! と言うらしいではありませんか。




105 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 03:13:49.26 ID:7HZ34ePoO
('A`)「太らなくても虫歯にはなるよ。 ちゃんと歯磨きしてきなさい」

l从・∀・ノ!リ人「のじゃー!!」

お気に入りのピンクの歯ブラシに、同じくピンクのチューブの中身を絞り出します。
ここまで甘党な私ですから、歯みがき粉だって抜かりありません。

('A`)「どんな味なの、それ」

l从・∀・ノ!リ人「ストロベリープディング抹茶パフェ仕立てなのじゃ!!」

('A`)「……虫歯には気をつけてね」

l从・∀・ノ!リ人「のじゃー!!」



107 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 03:16:12.97 ID:7HZ34ePoO
('A`)「それじゃ、行こうか」

l从・∀・ノ!リ人「行ってくるのじゃー!!」

しっかりと歯磨きを終えた私は、ドクオさんの原付で風になります。
小学校への通学路の途中に、ドクオさんのお勤め先があるからです。

l从・∀・ノ!リ人「もっと鋭く!! なのじゃー!!」

('A`)「制限速度ってわかる?」

l从・∀・ノ!リ人「妹者が許すから平気なのじゃ!!」

('A`)「うん、いや、何その権限?」




109 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 03:18:39.44 ID:7HZ34ePoO
落ちないように、ドクオさんの体にしっかりとしがみつきます。
ドクオさんの体はいつも冷たくて、ゴツゴツとしています。
私としては、是非ともお肉をつけていただきたいものです。

('A`)「じゃ、俺はここで」

l从・∀・ノ!リ人「いつもの時間にピンポンするのじゃ」

('A`)「いってらっしゃい」

l从・∀・ノ!リ人「行ってくるのじゃー!!」

住宅街の一角で、ドクオさんとはお別れです。



110 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 03:23:02.43 ID:7HZ34ePoO
ドクオさんが入っていったお宅は、一見すると何の変哲も無い素敵な庭付き一戸建てなのですが、中は世界中のハイテクを集めて作られた素敵空間なのです。
ドクオさんはよく嘘をつくので、真偽のほどは定かではありませんが。

l从・∀・ノ!リ人「きっと変形して怪獣と戦えるのじゃ」

ここからは、己の足で学校を目指します。



111 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 03:26:22.62 ID:7HZ34ePoO
('A`)「そろそろかな……」

時計を確認すると、時刻は2時半を回ったところだった。
俺はそれまでの作業を中断し、後片付けを始めた。
居残りなどがなければ、彼女はもうすぐ来るはずだ。

戸締まりを確認し、ジャケットを羽織る。

(´<_` )「妹者は、元気にしているか?」

('A`)「弟者……」

玄関で靴を履こうとしていると、不意に背後から話かけられた。

('A`)「お前は、本当に毎日同じことを聞いてくるな」

振り返って、問いかけに応じる。

('A`)「そんなに気になるなら、自分で会いにいけばよかろう」

(´<_` )「それはそうだが……」

('A`)「それに下校時間だ。 もうしばらくすれば彼女はやって来るぞ」

俺の提案に、弟者は俯きながら固く口をつぐんだ。



112 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 03:29:32.00 ID:7HZ34ePoO
「ドクオー!! 来たのじゃー!!」

元気のいい呼び声と、少しだけ喧しい電子音が響いた。

('A`)「どうするね」

(´<_` )「……すまんな」

そう言って、弟者は奥の部屋へと消えていった。




120 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 03:50:04.30 ID:7HZ34ePoO
帰り道も、私はドクオさんの後ろで風になります。

l从・∀・ノ!リ人「ハロー、ドクオ!!」

('A`)「……何それ?」

l从・∀・ノ!リ人「今日は特別授業で、えーえるてぃーの先生が来たのじゃ!!」

('A`)「えーえるてぃー……? あぁ、外国人の先生だっけ」

l从・∀・ノ!リ人「のじゃ!! 英語ペラペラですっごくかっこよかったのじゃー」

('A`)「そりゃあ、英語の先生だからね……」

この時間は大抵、私が学校で体験したことをお話しします。
私が楽しく話していると、ドクオさんも楽しそうに聞いてくれます。
素晴らしいことです。
やはり、楽しみはわかち合うべきなのです。

l从・∀・ノ!リ人「ハロー、ドクーオ!!」

('A`)「あー…… ハロー、イモージャ」

('A`)「ハウアーユー、トゥデイ?」

l从・∀・ノ!リ人「サー、イエッサー!!」

(;'A`)「どんな授業したの……?」




122 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 03:55:02.56 ID:7HZ34ePoO
家に帰って宿題を終わらせた後は、ドクオさんに作っていただいたお夕食の時間です。
私はあまり好きではないのですが、ドクオさんはお肉やお魚を勧めてきます。
好きではありませんが、お残しは絶対にしません。
せっかく作っていただいたのですから、残さず食べるのが礼儀でしょう。


l从・∀・ノ!リ人「しゃきしゃきでウマー!! なのじゃー」

  _,,_
l从・д・ノ!リ人「ネチョネチョして……なんかくさいのじゃ……」

('A`)(ピーマンが大丈夫なのにハンバーグがダメだとは……)



124 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 04:03:06.18 ID:7HZ34ePoO
l从・∀・ノ!リ人「ドクオもたまにはお風呂入るのじゃー!!」

食べ終わったら、お風呂に入って一日の疲れを洗い流します。
風呂は命の洗濯です。

('A`)「えぇ……俺はいいよ、汗かかないから」

l从・∀・ノ!リ人「そんな事言ってほったらかしにしてると錆びるのじゃ!!」

('A`)「たぶん、お風呂入ったほうが錆びるんじゃないかな……」

たまには背中を流して差し上げようと思いお誘いするのですが、いつも、なんだかんだで逃げ切られてしまいます。
今年の目標、ドクオさんをお風呂に入いれることで決まりです。



125 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 04:08:08.67 ID:7HZ34ePoO
l从・∀・ノ!リ人「スティービーワンダーが聞きたいのじゃ!!」

(;'A`)「ずいぶんと渋いリクエストだね」

l从・∀・ノ!リ人「妹者は国際派なのじゃー!!」

寝る前には決まって、音楽を流しながらドクオさんにお話をしてもらいます。

('A`)「えーっと……どこまで話したかな?」

l从・∀・ノ!リ人「アルタイムとの一騎討ちなのじゃ!!」

('A`)「あぁ、そうだったね。 じゃあ続き…… 間髪を容れず繰り出されるUの猛攻をかわしながら――」




126 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 04:13:10.57 ID:7HZ34ePoO
最近のブームは「アルファベット・ウォーズ」という物語でございます。
なんでも、全世界で最も有名なファンタジー巨篇なんだとか。

l从・∀・ノ!リ人「迷いを捨てたジョルジュは漢なのじゃー……」

物語には様々な魅力的なキャラクターが登場いたしますが、その中でも一番のお気に入りは西塔大将、ジョルジュ・ラダビノードでございます。
殿方ならばこう生きてほしい。
そんな私の理想が凝縮されております。
是非とも皆様、ご一読を。

l从;д;ノ!リ人「うぅ……敵ながら天晴れな最期なのじゃ……」

('A`)「はい、今日はおしまい」

l从・д・ノ!リ人

('A`)「……どうしたの?」

l从・д・ノ!リ人「興奮して寝付けないのじゃ……」

('A`)「……」

続きを聞かせてくれと懇願致しましたが、ドクオさんはそれを軽く一蹴。

スティービーワンダーとドクオさんとのハーモニーを聴いている内に、意識は真っ黒な暗闇に溶けていったのでございます。



127 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 04:19:57.95 ID:7HZ34ePoO
どんなに幸せな時間も、いずれは終わりが訪れる。
永遠に続くとも思われた日々も、気付けは半世紀以上が過ぎていた。

l从- -ノ!リ人

目の前の、冷たくなった女性を見ながら痛感する。

('A`)「……」

今まで、自分はこの一人に全てを捧げてきた。
最愛の人、と呼ぶに相応しい、素晴らしい女性だった。

ごく、閉鎖的な生活を送っていた自分にとって、対照的ともいえる快活さ。
何にでも興味を持ち、好奇心は納まる所を知らない。
決して我が儘などは言わないが、自分なりのこだわりはしっかりと持っていた。

羨ましくも思い、全てが眩しく、いとおしかった。
彼女が自分の人生の全てだった。
何の為に生きるのか。
そんな疑問は、彼女の前では野暮なものだった。

('A`)「ありがとう」

最愛の女性に、心から。

('A`)「……泣けないって、不便」





128 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 04:24:15.56 ID:7HZ34ePoO

l从 ∀ ノ!リ人「……」

どうやら、私はこれまでのようです。

l从 ∀ ノ!リ人「……」

思えば、自分はとても幸福者でした。

l从 ∀ ノ!リ人「……」

あなたのような方に会えて、それだけでもとても幸せな事なのに。

l从 ∀ ノ!リ人「……」

私のような者に、最期まで付き添っていただいて。

l从 ∀ ノ!リ人「……」

どんな我が儘にも、笑顔で応えて下さった。

l从 ∀ ノ!リ人「……」

あなたは私にとって、最愛の人、と呼ぶに相応しい殿方でした。



130 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 04:29:23.57 ID:7HZ34ePoO

l从 ∀ ノ!リ人「……」

('A`)「……」

l从 ∀ ノ!リ人「これで……解放されますね……」

('A`)「違います。 ……失うんです。何もかも」

l从 ∀ ノ!リ人「……どうか」

l从 ∀ ノ!リ人「喜んで下さい。 あなたの、私達からの解放を……」

('A`)「無茶振りにも程があります」




131 :('A`)残されるようです:2009/03/18(水) 04:33:14.77 ID:7HZ34ePoO

l从 ∀ ノ!リ人「お願い……」

('A`)「……」

  ポリポリ
('A`)>


('A`)「……独り、楽しすぎるぜ!!」


l从 ∀ ノ!リ人「……ありがとう」

最愛の男性に、心から。





('A`)残されるようです


おわり






お題
・ハロー
・('A`)「独り楽しすぎるぜ」





  
NEW / TOP / OLD
★僕の小規模なブーン系生活  ★Author→小規模/ブーン系生活

  ★Designed by MACAREO
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。