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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:09:38.38 ID:Y5RYZ+Om0
気がついたら二リットルペットボトルの水を今日一日で二本消費していることに気付いた。
尿意がやべぇ


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:12:11.50 ID:Y5RYZ+Om0

(゚、゚トソンには感情がいるようです 前編

目次

*1 『都村トソン』

*2 『穴掘りとねこ』

*3 『喜怒哀楽』

*4 『コミニケイション』

*5 『名前を』

  それでは始めます
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:14:08.10 ID:Y5RYZ+Om0








 宇宙の端っこは小さな小さな惑星があるそうです。
 多分私はそこに行きたいのだろうな、と思いながら、私は悪意の後片付けをしていました。



(゚、゚トソンには感情が要るようです






5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:16:23.86 ID:Y5RYZ+Om0




*1 『都村トソン』



(゚、゚トソン「……」


 教室はオレンジ色に染まっています。そして私の机の上に置かれた猫の死体も、元は白かったであろう汚れた毛並みをオレンジ色に燃やしていました。
 体液だか何だか分からない液体がこぼれて床と椅子と机を汚しています。苛めだか何だか知りませんが、かなり根性のある行為だと思われました。
 こんなものを用意するとは。寧ろその根性に拍手を送りたいです。そんなに私が嫌いですか。


(゚、゚トソン「……」


( :&ωФ)


 半分とろけた白猫の瞳は私を見ていません。微かに微笑んだように歪んだ口から体液を垂れ流し、中空を眺めています。
 その様子に、私は人として当然のように吐き気を催しましたが、何かを吐き出そうにも胃袋の中身が空っぽだった事を思いだしため息だけを吐き出しました。
 ぐたりと机に広がってるその猫をどうすればいいのでしょうか。


(゚、゚トソン「……」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:18:54.57 ID:Y5RYZ+Om0


 この猫が彼なのか彼女なのかは知りませんが、彼若しくは彼女をこのまま放置しておく訳にはいきません。
 処理、しなくては。

 私は溜め息を一つ吐き出してから、ちょっとだけ肝を括りました。

 鞄を肘の後ろで固定し、制服の袖を捲り上げます。ほら、汚れたら嫌ですから。


(゚、゚トソン「……失礼します」


 胴を両方から手を差し込むようにして持ち上げ、そのまま開いている窓の外に放り出します。どしゃり、と直ぐ下に生えている植え込みに落ちる音がしました。
 この教室は一階なのでそう破損はひどく無いでしょう。
 出来れば机の掃除をしたい所ですが、今日はとても疲れたので、止めておきます。臭いがついたら違うものと交換しましょう、と思いながら教室から出ました。

 ゴミ箱に突っ込まれた空のビニール袋を拾い上げていくのを忘れずに。




7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:20:41.34 ID:Y5RYZ+Om0



(・∀ ・)「……これ投げたの、君」


 嫌に断定的な喋り方でその男子生徒は言いました。
 先輩なのか後輩なのか、はたまた同輩なのか判然としないのは、私が他人の顔を覚えようとしないからでしょう。


(゚、゚トソン「そうですが」


 私の声はひどく小さく、風でも吹いたら掻き消えそうでした。


 植え込みに落ちたであろう猫を回収しに校舎を回ると、そこには一人の男子生徒がいました。
 汚いものを見るような目で、ぼんやりとオレンジ色に染まった植え込みに襤褸布のように引っかかっている猫を見ていて、ふと私に気付いた彼はついとそれを指差しました。


(・∀ ・)「なに、これ」

(゚、゚トソン「猫です」


 移動教室から帰ってきたら置いてあって、処理に困るので埋める事にしたのです、――と。


(・∀ ・)「……そーなんだ」


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:23:31.48 ID:Y5RYZ+Om0


 ぼそぼそと私が言うと、その男子生徒はブレザーの袖を捲ろうともせず、植え込みに引っかかった猫を引き釣り降ろしました。
 だらり、と私に向かって差し出します。

 え、どうしろというのですか。


(・∀ ・)「……いらないの」


 いりませんよ、と言いそうになりました。彼若しくは彼女は私の所有物ではありません。勝手に誰かが置いて勝手に誰かが放置したのです。
 ですがそんな事を言っていても詮方ない上、多分この男子生徒を困らせるだけなので、諦めて受け取ることにしました。

 片手に持っていたビニール袋の口を開き、差し出します。流石にそう何度も触りたいものではありませんから。


(゚、゚トソン「有り難う御座います」

(・∀ ・)「動物の死体は、燃えるゴミだよ」

(゚、゚トソン「え」

(・∀ ・)「埋めるなら、一メートルくらいは掘らなきゃぜったい駄目だから」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:25:27.34 ID:Y5RYZ+Om0


 ビニール袋に猫を落としたその人は、素早く私からその袋を奪い、ぶさらげて歩き出します。

 慌てて其れを追いかけると、どうやら用具入れに向かっているようでした。
 校庭のすまっこに設置されている用具入れは、人工物の癖にまるで自然に還ろうとしているかのように朽ちかけていました。
 その人は黙ったままそれを開き、シャベルを取り出します。刃先がコンクリートに引っかかり、耳障りな音がしました。

 手伝うよ、という乾いた声がしました。


(・∀ ・)「埋めに行く? んでしょ?」


 疑問文にしては断定的な発音と、傾げられた首。
 多分、其れはその人なりの問いかけでした。


(゚、゚トソン「……」


 だから、私は頷いたのです。





13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:28:13.17 ID:Y5RYZ+Om0



*2 『穴掘りとねこ』



(・∀ ・)「野良猫は、年間に二十万匹以上も保健所で処分される」


 ざく。ざく。ざく。


(・∀ ・)「それ以外にも、餓死とか、轢死とか、虐待とかでもっともっと死ぬ」


 ざく。ざく。ざく。


 その人は、そんな取り留めのない残酷な事を言いながら、校舎裏の地面に穴を掘っていました。
 西日がさんかさんかとオレンジ色に照っているそこは地面が乾いていて、その人がシャベルを突き立てる度に土埃が舞いました。

 私はと言いますと、その土埃が掛からない場所で猫の入った袋を片手に突っ立っています。
 いい加減手が痛くて袋を手放してしまいたかったのですが、何故かそれは出来ないような気がしました。


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:32:12.32 ID:Y5RYZ+Om0

(・∀ ・)「何でかと言うと、多分、必要無いから。……えーっと、必要の無い、命だから」


 ざく。ざく。ざく。


(゚、゚トソン「必要の無い命が、あるんですか」

 
 私は動物愛護を叫ぶ程出来た人格をしていません。
 動物は全般可愛いとは思いますが、だからと言って殺すのは可哀想だと思えはしません。だってお肉大好きですがら。
 それとこれをどうしても切り離して考えることが出来ないのです。

 ですが、そのひとの言葉は、とても残酷なもののように思えました。

 ざく。ざく。ざ。

 土を掘り返す乾いた音が止み、手を止めたその人がこっちを向きます。
 びみょうに焦点の定まっていない黒いひとみが、夕陽でオレンジ色に染まっていました。


(・∀ ・)「それ」


 なんでしょう。


(・∀ ・)「きみの机に棄てられるために必要な命だったって、思いたい?」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:36:01.05 ID:Y5RYZ+Om0

 語尾の上がりきらない疑問系。何とか其れらしくする為なのか、その人は首を傾げ、序でに私の手元の袋を指さします。
 ああ、と私は袋を持ち上げました。

 私の机の上で滴っていた彼だか彼女だかの体液がふと甦ります。
 この彼だか彼女だかの命はこれまで、私の机を汚すくらいしかしなかったのは容易に想像出来ました。首輪もついていません。野良猫という奴です。
 なんの因果でお亡くなりになり、私の机に置かれたのか知りませんが。


(゚、゚トソン「思いたくありませんね」

(・∀ ・)「ですよね」


 簡単に頷いて、そのひとはまたシャベルを土に突き立てます。

 ざく。ざく。ざく。








(=( 怒) (=( 哀)


 ふと顔を上げると、遠くの方に二人の少年と少女が立っていました。
 思わず私が声を上げると、シャベルを土に突き刺したその人も顔を上げました。びっくりした、と気の無い声が聞こえます。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:40:19.58 ID:Y5RYZ+Om0


(・∀ ・)「どうしたの」


 いいえ、なんでもありません。
 ただの私の幻覚です。

 そんな事を言う訳にも行かないので、最初の一行目だけ言って顔を背けました。


(゚、゚トソン「……」


(=( 怒)ノシ (哀 )=)


 手を振らないで下さい。




20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:43:29.72 ID:Y5RYZ+Om0




*3 『喜怒哀楽』



 私がその幻覚を見始めたのが何時だったかは判然としませんが、多分中学校に入った辺りには既に当たり前のものとして認識していました。

 彼らは四人居て、一人は女の子、後の三人は男の子です。
 それぞれ顔に無機質な字の書いてあるお面をつけており、その下の体は私と同じ年くらいの平凡なものなので、何とも滑稽な感じに見えます。
 お面に書かれた文字は、明朝体の『喜』『怒』『哀』『楽』

 どうやら彼らは私にしか見えておらず、気がついた時には私は彼らの事を幻覚だと断定しておりました。


 彼らはまるで
 「今は哀しむ時だ」「今は喜ぶ時だ」「今は怒る時だ」「今は楽しむ時だ」
 と言わんばかりに日々の節々に現れては、少し遠くに突っ立って私を見ているのです。



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:46:58.29 ID:Y5RYZ+Om0


 図にすると、



(=( 喜) (=( 怒) (哀 )=) (楽 )=)


                   (゚トリィノ,



 こんな感じに。


 そして、今はどうやら怒ったり哀しんだりする所だったようですが、いまいちタイミングが分からなかった私は首を傾げるだけに留めました。



(・∀ ・)「猫貸して」

(゚、゚トソン「あ、はい」



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:50:04.14 ID:Y5RYZ+Om0


 言われて、袋を手渡します。
 袋から猫を取り出し、穴に入れたその人は、端に積んであった土の山を崩すようにして猫を隠していきました。


 最後にざくりとシャベルを突き刺して(・∀ ・)「終わり」


 呟いたその人は、額に浮いた汗を少し拭って私を見ないままその場から立ち去ろうとしました。
 ゆらゆらと揺れる背中にお礼を言おうか別れの挨拶を告げようか迷っていると、ふらりとびみょうにずれた視線が私を捉えます。


(・∀ ・)「あ、そうだ」


 なんですか。


(・∀ ・)「時々墓参り、してあげて」

 

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:52:50.16 ID:Y5RYZ+Om0

 
 にこり。

 とその人は口の端を吊り上げて、可愛らしく微笑みました。
 ぼくも、時々此処来るからさ。と告げて今度こそゆらゆらと立ち去ってしまいます。ブレザーからはみ出た縒れた白いカッターシャツが目に染みました。

 こんなものがお墓だといえるんですか、とシャベルに手をやりながら思います。




(=( 喜)b



 何がうれしいんですか。訳が分かりません。
 何がGJなんですか。訳が分かりません。

 というか貴方達は何なんですか。訳が分かりません。




26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:54:41.38 ID:Y5RYZ+Om0


*4 『コミニケイション』


 ただいま。


 返事は返ってきません。当たり前です。返事をくれる人が居ませんから。
 我が家の両親は中々仕事熱心で、一日が終わる頃に帰ってくる事すら稀です。
 実質上このマンションの一室は彼らの娘、つまり私の為に借りられているようなもので、彼らは彼らで各自の仕事場の近くに部屋を借りているらしいです。
 それでも我が家はここだと言うのだから、大層な思想の持ち主でいらっしゃいます。

 時計の文字盤は真っ直ぐを少し崩した格好をしていました。
 胃袋がしくしくと痛みます。ああ、お腹が減ったんですね。



 本日の晩ご飯。豆煮と塩鮭と海藻サラダと白米。全て手作りです。


(=( 怒)         (゚、゚トソン


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 19:57:20.29 ID:Y5RYZ+Om0



 気が付くとお面を被った少年が隣の席に座っていました。

 自分で用意した夕飯を食べる私に静かな視線を注いでいます。お腹が減っているのでしょうか。
 とりあえず余っている御椀に炊飯ジャーから白米をよそい、使ったことの無い来客用の箸を用意して、彼の前に差し出します。




||⊂(゚、゚トソン「……」

(=(怒)つ||「……」



 少年はぱしり、と両手を合わせてから、お面を取りました。




28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:00:30.77 ID:Y5RYZ+Om0



っ怒),゚Д゚)つ||      (゚、゚トソン


(,,゚Д゚)っ=        (゚、゚トソン



『正しいお箸の持ち方』という本にでも載っていそうな丁寧な所作でお箸を掴み、左手に御椀を持ったところで、手を止めます。



(,,゚Д゚)「……」

(=(喜)「……」

(=(哀)「……」

(=(楽)「……」

(゚、゚トソン「……」



 何で増えてんですか。冗談じゃ無い。


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:02:27.54 ID:Y5RYZ+Om0



 とりあえずお皿と箸をを三組追加して、それぞれの前に置きました。楽のお面のひとに至っては床に座っています。
 椅子が無いからってあんた。


 テレビから垂れ流れるバラエティーの音声だけが部屋に満ちていきました。
 何だか日向に置いておいた本みたいな色合いのする其れをちょっとだけ睨んでから、私は塩鮭の骨を箸で取り除きます。

 折角四人掛けのテーブルなんですし、人が居るというもの悪くは無いかもしれません。


(゚、゚トソン「……」



 まぁ、所詮は幻覚なんですが。



 暫し無言の食卓が展開されていましたが、その沈黙を破るように哀のお面を被っていた少女が「ごちそうさま」と言いました。
 彼女の前に置いてある小皿は、こびりついた澱粉が残るばかりの空っぽです。



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:08:04.30 ID:Y5RYZ+Om0

(*゚ー゚)「美味しかったよ」

(゚、゚トソン「ああ、それはどうも……」



 炊飯器から出しただけのご飯なんですが。
 というか、喋れたんですか貴方達。

 お箸とお皿を洗って食器棚に仕舞った私は、リビングで銘々寛いでいた彼らを見渡します。
 喜のお面のひとは怒のお面の人と一緒にソファに座ってテレビを見ていました。
 哀のひとはカーペットに座り込んで私の鞄から出したのであろう英語の教科書をパラパラやっています。楽のひとは机に座って新聞を眺めているようでした。

 ああ、何だか家族みたいだなぁと私は思います。

 家族というには彼らの存在感は大変微妙でしたが。



( ・∀・)「おかずは無かったけどな!」

( ´∀`)「まぁ、食べられただけでモナは満足」


 彼らは次々に言葉を吐き出します。


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:13:13.47 ID:Y5RYZ+Om0
 ええと、それにしても。


(*゚ー゚)「私はあれでお腹一杯だよ」

( ・∀・)「胃、ちっさ!」

(,,゚Д゚)「俺はちょっと足りなかったけど。まぁ別にいいぞ」

( ´∀`)「たかっちゃ駄目だって」

( ・∀・)「分かってるけどさー」


 この人達、私の幻覚ですよね?


(゚、゚トソン「……」

( ´∀`)「おっ、この中継ぎさんめっちゃ頑張った」

(,,゚Д゚)「なかつぎ?」

( ´∀`)「野球の話」


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:16:14.52 ID:Y5RYZ+Om0

( ・∀・)「俺このアイドルあんま好きじゃないなぁ」

(*゚ー゚)「でも可愛いよ? まぁ性格はちょっとあれだけど」

( ・∀・)「性格が大事なの!」

(,,゚Д゚)「野球はわかんね」

( ´∀`)「もな」

(゚、゚トソン「……」

( ・∀・)「性格は大事だよな! な」

(,,゚Д゚)「あ? え? 何?」

(*゚ー゚)「可愛いのは可愛いと思うんだけどなぁ……」

(゚、゚;トソン「……」

 ちょ、ちょっと待って下さい。混乱してきました。
 彼らは私の見ていた幻覚で。だけど私に関わってくる事は決して無かったはずで。


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:19:31.26 ID:Y5RYZ+Om0



 たまらなくなった私は思わず酸欠の金魚のように間抜けな仕草をしました。

 あの、あのあの。

 四かける二の八つの瞳が此方を向きます。
 代表するように怒のお面をつけていた少年が首を傾げました。


(,,゚Д゚)「ん? どうした」

(゚、゚;トソン「貴方達、なん、ですか」


 やっとの思いで吐き出した言葉を、先ほどまで喜のお面を被っていた少年が笑い飛ばします。
 からからという笑い声につられたように、他の三人もゆるりと顔を綻ばせました。

 私は何だか何とも言えない気分になって、なんなんですか、ともう一度呟きます。




44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:21:57.90 ID:Y5RYZ+Om0




( ・∀・)「何って」



 喜色満面。世界が楽しくて仕方がないと言うような表情。
 それは何処かあの男子生徒の笑顔に似ていました。



( ・∀・)「お前の感情なんだからな、トソンちゃん」






46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:25:54.22 ID:Y5RYZ+Om0

*5 『名前を』



 指差し確認、始め。

 喜のお面を被っていた少年は、モララー。


( ・∀・)「モララー」


 怒のお面を被っていた少年は、ギコ。


(,,゚Д゚)「ギコ」


 哀のお面を被っていた少女は、しぃ。


(*゚ー゚)「しぃ」


 楽のお面を被っていた少年は、モナー。


( ´∀`)「モナー」


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:28:41.76 ID:Y5RYZ+Om0



 指を指す度に私が読み上げた名前を何度か味わい、各の反応を返します。
 喜のお面を被っていた少年、基モララーは嬉しそうに顔を歪めました。


( ・∀・)「変わったネーミングセンスだね」


 別に。
 漫画から取っただけですよ。

 傍らに置いてあった漫画の単行本を見遣りながら私は呟きます。

 私が自室に移動すると、彼らは当然のように私についてきました。
 そんな訳で八畳くらいの私の部屋で、彼らはまた銘々寛いでいます。何と言うか、もう我が家といった感じです。
 私の幻覚なので当たり前なのでしょうが、何とも言えない気分になります。


( ・∀・)「……ふーん」


 あっさりと引き下がった彼は、にやにやと笑っています。
 モララー以外にも、彼らの表情は彼らの被っていたお面とは何ら関係無いらしく
モナーはへにゃりと弛んだ笑みを見せていますし、しぃは微笑んでいますし、ギコはやんわりとした表情で笑っています。
 総じてちょっと楽しそうです。


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:30:36.81 ID:Y5RYZ+Om0


( ´∀`)「それにしても、モナ達を見てトソンちゃん、驚かないの」

(゚、゚トソン「え」

(*゚ー゚)「そういえばさっきも『あ、そうなんですか』で済ましたよね」


 モナーの問いかけに、私は思わず声を上げました。
 首を傾げると、首の骨の軋む音がします。かきり。


(゚、゚トソン「何で驚くんですか」

(; ´∀`)「何でって、……ねぇ」

(;*゚ー゚)「うん」



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:33:45.30 ID:Y5RYZ+Om0


 しぃとモナーが頷き合いますが、私にはさっぱり理解出来ません。何なんですかいったい。何を驚くと言うのですか。
 まぁ確かに、昨日の昨日まで頑なに近寄ってこなかったのにああまで普通に接されたのには吃驚しましたが、良く考えればなんてことはありません。

 だって貴方達は私の幻覚なのでしょう?


( ・∀・)「……」


 そう言うとモララーは大層困っているような、はたまた喜んでいるような奇妙な顔になりました。


 殺風景な私の部屋に横たわった沈黙を肯定と受け取り、私は四人から目を逸らします。


 五つものひとの形をしたものが犇めき合っているというのにちっとも窮屈に感じないというのは、やっぱり彼らが私の幻覚だと言う事を如実に表しているようでした。

 私の部屋は意味も無く広いですが、代わりと言うには有り余る程ものが少ないです。
 フローリングは剥き出しですし、調度はどこかから貼り合わせた雑誌の切り抜きのようにちぐはぐです。
 埃まみれの床に座るのは忍びないので、掃除だけは人並み以上にこなしてはいますが、殺風景な物置のような部屋にしか見えません。


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:37:45.31 ID:Y5RYZ+Om0



 ああ、本棚は割りと充実している方かもしれません。両親の蔵書も入っているので。
 漫画から小説まで。
 けれど家に在る本が総結集しているにしては小さなものでした。



(゚、゚トソン「ところで、」


(゚、゚トソン「……」



 ふと頭を上げると彼らは現れた時と同じように消えていました。
 寂しいとも思わず、何を言おうとしたのかさえ忘れて私は出されていた筈の宿題を片付けようと汚れた教科書を鞄から出します。

 うぞうぞとした何かが隣の部屋から壁を伝って逃げていきました。
 多分、お隣さんの悪意なんじゃないかと思います。


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:38:47.76 ID:Y5RYZ+Om0
(゚、゚トソンには感情が要るようです 前編

終りました

投下後

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:42:24.56 ID:Y5RYZ+Om0
以上で前編は終了です。
後編は来週くらいに投下予定となってます。

で、只今後半の目次を製作中です

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:47:50.03 ID:Y5RYZ+Om0



(゚、゚トソンには感情がいるようです 後編

目次

*6 『なみだのお手本』                    *12 『融解』

*7 『苛々』                              ** 『/』

*8 『吐き気と水気は似ている』            *13 『かんじょう』

*9 『ほし』                              *14 『喜怒哀楽のススメ』

*11 『生きていた』                       *15 『さいごのはなし』

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:49:00.19 ID:Y5RYZ+Om0
それではお付き合い有難う御座いました。

質問等ありましたら暫くは張り付いていますので、できる限りでお答えします。
……が、人いねぇな……

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/04/04(土) 20:49:36.71 ID:xxGWRpL60

がんばれ

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/04/04(土) 20:50:18.57 ID:6ZwJ4OvbO
こういうのすきです
24さい 男

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/04/04(土) 20:51:14.91 ID:FlfdL5WeO
おつむら

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/04/04(土) 20:53:39.89 ID:kWFqolkbO
面白かった
後半期待してる。乙

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/04/04(土) 20:55:01.01 ID:4aXSTc+vP
スレ開いて>>1でいきなりイミフな事を言ってるから吹いた。お疲れさん

関連:(゚、゚トソンには感情がいるようです 後編





  
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