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目次
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 22:57:18.86 ID:WKvoAAyZ0


川 ゚ -゚)「ある姫とお付き合いさせていただくことになった」

 王子様は、お城にかえってからめしつかいのひとりに言いました。
 そのめしつかいは王子様といちばんなかのよいひとです。

(*゚ー゚)「……それは、ええと、本当ですか?」

 手にしたぞうきんをおとしそうになりながら、そのめしつかいは訊ねました。
 じょうだんを言っているとも、ほんとうのことを言っているとも思っていないかおです。

川 ゚ -゚)「あなたに嘘はつかない」

「それは光栄です。そうですか、ふふ」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:00:06.25 ID:WKvoAAyZ0

川 ゚ -゚)「何かおかしいか?」

 めしつかいが突然わらいだしたので王子様はいささか不安になってききました。
 だれか人をすきになったことがないからです。
 王子様はおくてな方でした。

(*゚ー゚)「いえ、失礼。ふふ、よかったですね」

川 ゚ -゚)「……うん」

(*゚ー゚)「それで、そのお姫様はどこの方ですか?」

 めしつかいはほんとうに何気なく、いみなく、訊ねました。
 とくにそれがどうこういうわけでもなくて。

川 ゚ -゚)「……どこの?」

(*゚ー゚)「ええ」

川 ゚ -゚)「………」

(*゚ー゚)「え?」

川 ゚ -゚)「……私は、彼女のことを何も知らない」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:01:00.94 ID:WKvoAAyZ0



( 'A`)姫と王子(゚- ゚ 川のようです




10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:04:23.81 ID:WKvoAAyZ0

「たっだいまー!」

川 ゚ -゚)「む」

 部屋着姿のクーは、玄関の方でした声を耳に入れ、数式を綴る手を止めた。

 立ち上がって玄関へ向かうと、よれかけたスーツを着た、異様に造形の整った男が自分の足にひっかかりそうになっていた。

川 ゚ -゚)「おかえり。遅かったな」
_
(*゚∀゚)「クー! 起きてなくていいって何度も言っただろー!」

 そう言いながらも、こんな時間――ちょうど日が変わりそうな頃だ――でもクーが出迎えてくれるのが嬉しくて嬉しくて堪らないことを、クーは知っている。
 どんなに疲れていようと、クーがいるだけで笑顔になることも。

 遅くなったが、この男はクーの兄で、ジョルジュという。
 極度のシスコンだ。
 _
(*゚∀゚)「クー、ケーキ買ってきたぞ! モンブランとザッハトルテだ! 好きな方食っていいからな!」

川 ゚ -゚)「ご飯の後一緒に食べないか」
 _
(*゚∀゚)「クー、その俺が帰るまで夕飯は食べないってのやめろよー!」


12 名前:ジョルジュの眉がずれとるがな投稿日:2009/06/14(日) 23:07:10.59 ID:WKvoAAyZ0

 ジョルジュの帰りが遅かろうが早かろうが、クーは帰りを待つ。
 もう習慣になったのだが、ジョルジュはいつもそう言う。
 と言いながらもやはり嬉しそうである。
 _
(*゚∀゚)「今日の晩ご飯は何ですかー!」

川 ゚ -゚)「大根の煮物と鯵の開きだ」
 _
(*゚∀゚)「今日も生きててよかったあああああ!」

川 ゚ -゚)「近所迷惑になるから抑えてくれ」

 異常なテンションだが、ジョルジュは酔ってはいない――そもそも他で呑んでくること自体がないに等しいくらいだ。
 ジョルジュは、帰ってくるときだけでなく、仕事へ行くときも、休日も、いつだって笑顔だ。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:10:25.67 ID:WKvoAAyZ0
 _
(*゚∀゚)「ふいー、いい湯だった」

川 ゚ -゚)「換気扇回したか?」
 _
( ゚∀゚)「たりめーだろー。俺はクーの兄ちゃんだぞー」

 だから訊いた、とは言わなかった。
 机の上には、できたての夕飯がすでに並んでいた。
 クーとジョルジュはそれぞれいつもの席に着き、自身の手を合わせる。
 _
(*゚∀゚)「いっただっきまーす!」

川 ゚ -゚)「おあがんなさい」

 クーは、ジョルジュが鯵に手をつけてから、いただきます、と言った。
 _
(*゚∀゚)「うまうま」

 さすがに食事中は行儀よくしている。

 その様子をしばらく楽しんでから、クーは一旦箸を置いて口を開いた。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:13:18.68 ID:WKvoAAyZ0

川 ゚ -゚)「兄、ちょっと話があるんだが」
 _
( ゚∀゚)「何だ? 兄ちゃんに何でも言ってみろィ」

 ジョルジュもとりあえず箸を置いた。
 普段は大抵ジョルジュから話題を出すので、クーから言うのは珍しい。

川 ゚ -゚)「恋人ができた」
 _
( ゚∀゚)
 _
( ゚∀゚)「え?」

川 ゚ -゚)「だから、恋人ができた」
 _
( ゚∀゚)


21 名前:ジョルジュの眉がずれとるがな投稿日:2009/06/14(日) 23:16:11.28 ID:WKvoAAyZ0

((( ゚∀゚)))「――は、はははははは。そういや今日はエイプリルフールだったなあ。はははははははは。
      クーは嘘を吐くのがうまいなあ。でも兄ちゃん騙されないぞおお。はははははは」

川 ゚ -゚)「十月だが」

 がくがくと痙攣をおこす手で、ジョルジュは携帯を開いて日付を確認した。

(((( ゚∀゚))))「はははははは。俺の携帯は冗談を言うようになったようだよ、クー。
       おっかしいなあ。壊れたかなあ。はははははははは。ほんと冗談はクーだけにしとけよなあ。はははははははははははは」

川 ゚ -゚)「現実だ」

#))゚∀゚)「痛いよ!!」

 あんまりうるさいので、クーが制裁を下した。


25 名前:ジョルジュの眉が消えとるがな 投稿日:2009/06/14(日) 23:18:42.26 ID:WKvoAAyZ0
 _
(#゚∀゚)「くっすおお! どこの馬の骨だァ! ぶち殺してやる!!
    (殺す殺す殺す殺す殺す殺す)
    くっすおお!! 大根うめえ!」

川 ゚ -゚)(正直だな……)

 こんなのではあるが、クーはジョルジュが好きだ。
 自分を心配してくれているのもよくわかる。
 ブラコンとそしられても構わないと思える。
 _
(#゚∀゚)「馴れ馴れしく近づいてんじゃねえよ! 俺だってクーとべたべたしてえよ! 畜生!」

川 ゚ -゚)(べたべた……?)
 _
(#゚∀゚)「何で断らないんだ、クー! 俺はなァ、」


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:21:21.92 ID:WKvoAAyZ0

甘酸っぱい☆ジョルジュ回想

「ジョルジュくん!」
 _
( ゚∀゚)「ん?」

「す、好きです! 付き合ってください!」
 _
( ゚∀゚)「あー……」
 _
( ゚∀゚)「ごめん、俺、妹いるんだ」

ジョルジュ回想終了。

 _
(#゚∀゚)「こうやって断ってきたんだぞおお!」

川 ゚ -゚)「兄らしい理屈だ」
 _
(#゚∀゚)「高校のときからずっとだ!」

 無茶苦茶な発言をべらべらと並べているが、クーはいつものことのように見ている。
 だいたい予想はついていた。

 せめてもの緩衝になるかと、ジョルジュの好きな和食にしたのだが、あまり意味はないようだ。


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:24:13.02 ID:WKvoAAyZ0
 _
( ゚∀゚)「クー」

川 ゚ -゚)「うん」
 _
( ゚∀゚)「そいつは、俺よりかっこいいか……?」

 突然真面目な顔をしたかと思うと、訳が解らないことを訊いた。

 クーは溜息を吐き、心底うんざりしたような顔をした。

川 ゚ -゚)「わたしは、兄よりかっこいい人を見たことがない。外見も内面もだ」
 _
(*゚∀゚)デュフッ

川 ゚ -゚)「だが――」

 クーは今まで誰一人に対しても向けたことのない軽蔑しきった目でジョルジュを見つめた。

川 ゚ -゚)「今の兄は世界の誰よりも格好悪い」
 _
( ゚∀゚)

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:24:23.77 ID:kv0vuoP+O
sageすぎると落ちるぞ?支援

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:27:25.11 ID:WKvoAAyZ0

川 ゚ -゚)「まさか人を見た目で、しかも比較して判断しようとは。愚劣にもほどがある」
 _ 
( ゚∀゚)「く、クー、」

川 ゚ -゚)「妹が信じられないのか」

 その一言が決定打になったのか、ジョルジュは飛び跳ねるように立ち上がり、クーの横へ素早く来るなり泣き叫び始めた。
 _
( ;∀;)「クー! 俺が悪かった! 俺が悪かったから嫌いにならないでえええ!! 頼むから嫌わないでええええ!」

川;゚ -゚)「ああもうわかったわかった」

 ジョルジュは昔からこうだ。
 クー限定で、少し冷たくされると泣いて懇願する。

 漫画や小説で「頼むから殺さないでくれ」という台詞よりずっとタチが悪いとクーは思っている。
 何だか申し訳なくなるからだ。


35 名前:>>31・・・・・・まじですか?投稿日:2009/06/14(日) 23:30:28.91 ID:WKvoAAyZ0

川 ゚ -゚)「はいはい大好き大好き。だから冷める前にご飯さらえてくれないかなー」
 _
( ;∀;)「ホントか? 兄ちゃんのこと嫌わないでくれるか?」

川 ゚ -゚)「はいはい大好き大好き」
 _
( ;∀;)「じゃあクーのおっぱい触、」

川 ゚ -゚)
 _
( ゚∀゚)「うそです」
 _
( ゚∀゚)「じゃあちょっと家に連れてきてよ。見たいじゃん」

川 ゚ -゚)「駄目だ。殺しかねない」
 _
( ゚∀゚)「し、しないよ! 人畜無害だよ!」


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:33:14.10 ID:WKvoAAyZ0

 結局ケーキは、クーがザッハトルテ、ジョルジュがモンブランを食べた。

川 ゚ -゚)「もしもし? 今大丈夫か?」

『うん、大丈夫だよ。どしたの?』

 クーは携帯を持っていないので家の電話で連絡を取っている。
 もし持っていれば、ジョルジュからのラブコール・ラブメールが絶えないだろうから、正解だ。

川 ゚ -゚)「いや、まあ、何だ。例の、彼」

『ん? ああ! 一年生の変な子? うん、彼が?』

川 ゚ -゚)「あー、彼と、付き合うことにした」

『ほんとうに!? よかったじゃない!』

川 ゚ -゚)「う、うん」

『わたし心配してたのよ。このままクーが男の子に興味がないと困りものだってね』

川;゚ -゚)「そ、そうなのか」

『そうよ。ギコ君も言ってたもの。でも好きな人ができて、隣にいてくれてよかったね!』

川 ゚ -゚)「う、うん」

川*゚ -゚)「……そうだな」


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:36:06.78 ID:WKvoAAyZ0

『ふふふ。……あ、お兄さんは?』

 電話の相手の声が少し強ばるのがわかった。

川 ゚ -゚)「いや、何とか説得した」

『それならいいんだけど……前にわたしとギコ君が遊びに行ったとき凄かったじゃない』

川;゚ -゚)「あれはほんとうにすまなかった」

『他所じゃあんまり素を出さないギコ君が、お兄さんに怒鳴られてる間じゅうずっと「ゴルァ、ゴルァ」って申し訳なさそうに呟いてたくらいだからね』

 電話の相手は嬉しそうにからからと笑った。

川;゚ -゚)「彼にはトラウマをつくってしまった。申し訳ない」

『あはは、大丈夫だって。ギコ君は割とすぐしょんぼりする分立ち直りは早いから』

川;゚ -゚)「それならいいんだが……」

『友達だって言ってもあれなんだから、一年生の彼は大変だね』

川;゚ -゚)「う、うむ。危険なときはわたしが護ろうと思う」

『ふふ。それは頼もしい』


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:39:28.66 ID:WKvoAAyZ0

川 ゚ -゚)「まあそういうことなんだ。よろしく頼むよ」

『うん、じゃあギコ君にも言っとくね。おやすみー』

川 ゚ -゚)「おやすみ」

 そう言い、ゆっくりと受話器を置いた。

 溜息を吐いて胸をなでおろすと、クーはそのまま振り返らず続けた。

川 ゚ -゚)「兄」
 _
( ゚∀゚)そ「はっ」

 声のする方向からして、すぐ近くにいるらしい。
 気配でだいたいは把握していたが。

川 ゚ -゚)「明日の夕飯はいらないんだったかな?」
 _
(;゚∀゚)「……え」

川 ゚ -゚)「次立ち聞きしたら一週間弁当抜きだ」
 _
( ゚∀゚)「断じてしません!!」

 潔い一言だった。


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:42:05.22 ID:WKvoAAyZ0

('A`)「………」

('A`)「………」

('A`)「………」

('A`)「………」

っ< 'A`)ミュィ「………」

っ< 'A`)「………」

っ< 'A`)「………」

っ< 'A`)「………」

ペス(('A`)「………」

('A`)「………」

づ('A`)スリスリ「………」

('A`)「……痛い」

('A`)「……もう32回目なのに」

 ほぼ同時刻、ドクオ。


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:44:59.85 ID:WKvoAAyZ0

( ^ω^)「おはようお!」

(*)'A`)「グッドモーニング娘」

( ^ω^)「……どうしたんだお、その顔」

(*)'A`)「……ちょっとな」

( ^ω^)(クーさんにやられたのかお……?)

 次の日の朝も変わらず平和だった。

 ブーンもショボンも、ドクオの返事を聞きにあとをつけていたので知ってはいたが、昨晩ドクオから電話がかかってきた。

「俺今すげえ夢見てるんだぜ」

 とかなんとか。
 最後の方で、ドクオがこれを現実らしいことに気付いていることがわかったため、ブーンはすぐ切った。


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:48:22.75 ID:WKvoAAyZ0

(´・ω・`)「や」

(*)'A`)「おう」

(´・ω・`)「何だいドクオ。物凄く愉快な顔面だね」

( ^ω^)(愉快)

(´・ω・`)「ま、腫れてなくても愉快な顔面だけど」

( ^ω^)(………)

(*)'A`)「お前に言われても反論できねえよ」

(´・ω・`)「する気なのかい。図々しいね、このビミョメン」

( ^ω^)

(*)'A`)「ブサメンじゃなくて安心している俺がいる」

ξ゚⊿゚)ξ「おはよう、ボンクラーズ」


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:50:41.80 ID:WKvoAAyZ0

 日常が非日常になっても変わらないことはいくらでもある。
 その反面、あらゆる感情をも生む。
 それは例えば――

( ^ω^)「それじゃあ、これでみんな所帯持ちになったのかお?」

('A`)「なってね……そうか、俺か……」

 ドクオがあんまり嬉しくなさそうに呟いた。
 よくわからないのだ。

(´・ω・`)「いいや、なってない」

( ^ω^)「? 何で――」

(;'A`)「避けろブーン!!!!」

 ドクオの警告は、それでも遅かった。

 ショボンはこの間、付き合って突き合っていた歳上の男と別れたのだ。
 それ以上は、言うまい。

(;'A`)「ブーン! 大丈夫か!?」

( ;ω;)「おおおん、ツンごめんおおおお。ブーンは今日から女になるおおおおおおお」

(´・ω・`)「捨てられたんじゃない。捨てたんだ」

 もはや蔑みの真骨頂だ。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:53:03.39 ID:WKvoAAyZ0

(´・ω・`)「で?」

 のた打ちまわるブーンに見切りをつけ、今度はドクオに目を付けるショボン。
 ドクオは一瞬身を震わせた。

(;'A`)「な、何すか」

(´・ω・`)「愛しい愛しいクーさんとは登校しないのかな?」

(;'A`)「え」

 ショボンの鋭く流麗な眼に引き込まれつつ、クーの髪を思い出した。

(;'A`)「でも……連絡先知らないし……」

(´・ω・`)「うそ」

('A`)「え、マジ」

 ショボンの素を久々に見て、ドクオは冷静になった。

 素になろうとなんだろうと、ショボンは恰好いいままだ。
 朝の一言がフラッシュバックする。


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:55:41.94 ID:WKvoAAyZ0

(´・ω・`)「クーさんについて知ってることを挙げて」

('A`)「え?」

(´・ω・`)「早くしろ」

(;'A`)「あ、ああ、えーと……名前と、性別と、クラスと、」

(*'A`)「あと、姿貌?」デュフッ

(´・ω・`)「……それだけ?」

 ドクオの気味の悪い笑みにつっこみもせず、ただショボンは目を見開いた。

 何となく威圧感を覚えながらドクオは苦く笑った。

(´・ω・`)「誕生日、血液型、家族構成、住所、メアド、好き嫌い、頭の良し悪し、趣味、癖、エトセトラエトセトラ」

(;'∀`)「………」


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/14(日) 23:58:31.18 ID:WKvoAAyZ0

 引きつった笑みを見せたままでドクオは固まった。
 しかし、何も知らない自分に落胆したのではない。

('A`)「でも、そんなこと知ってどうすんの?」

 ただひとつ、それだけが疑問だった。
 ショボンはしばらく黙った。
 そのうち、いつもより眉を垂れ、

(´・ω・`)「やっぱり君らは少し一般的じゃない節がある」

 誉めてるんだよ、と言った。

 放課後、いつものようにブーンを教室で待っていた。
 他愛ない話をぶつりぶつりと途切れ々れに話していると、クーさんがやってきた。

川 ゚ -゚)「ドクオ」

('A`)「はい、クーさん」

川 ゚ -゚)「一緒に帰らないか」

('A`)「はい」

(´・ω・`)(良妻みたい)
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/15(月) 00:01:20.44 ID:9RgE5Ztn0

 帰り道に話したことはほとんどなかった。

 ドクオの頭にはショボンの言葉ばかりうずまいていた。

 それでも、二人ともが黙々とひたすら歩いただけだった。

 分かれ道にきたとき、クーが

川 ゚ -゚)「こんなに緊張したのは初めてだ」

 と言った。

 ドクオは

('A`)「はい」

 とだけ言った。

 ショボンの声を思い出しながら、ドクオは頭を下げ、家路についた。

('A`)(知る必要なんてない。好きってだけでいいんだ)

 その日の夜空は綺麗だった。


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/15(月) 00:04:24.04 ID:9RgE5Ztn0

「たっだいまー!」

川 ゚ -゚)「む」

 クーは濡れた髪を拭く手を止め、玄関へと向かった。

 いつもと同じように、いつもの顔でクーに無邪気に笑うはジョルジュ。
 ネクタイを解きながら片腕を広げている。
 _
(*゚∀゚)「俺の胸に飛び込んでおいでマイハニー!」

川 ゚ -゚)「わたしは兄の蜂蜜ではないと何度言えばわかる。寝言はいいからお風呂に入ってくれ」
 _
( ゚∀゚)「ちぇー。いつになったら俺の愛に気付いてくれんのかなあ」

川 ゚ -゚)「歩きながらスラックスを脱ぐな」

 ずるずるとジャケットを引きずり、風呂場に向かうジョルジュはすでにパンツ一丁だ。

 愛情に似た溜息を吐き、クーは夕飯の準備にとりかかった。


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/15(月) 00:07:25.79 ID:9RgE5Ztn0
 _
(*゚∀゚)「オムハヤシだあー」

川 ゚ -゚)「おあがり」
 _
(*゚∀゚)「ウヒョー。いただき、ます!」

 食事のときはやはり異常に静かになる。

 子供がうるさいとき、テレビをつけると静かになるのと似ている。
 思いながら、クーは口を開いた。

川 ゚ -゚)「突然だが、好きな人の誕生日とかは知りたいものなのか?」
 _
( ゚∀゚)ピクッ

 スプーンの動きが止まり、ジョルジュの眉が動いた。
 _
( ゚∀゚)「好きな……人か」

 ジョルジュも大人だ。
 自分を押し殺している。

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/15(月) 00:09:35.01 ID:dUhUMArW0
しえん
sage進行にしなくてもいいのか迷うんだが

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/15(月) 00:10:23.15 ID:9RgE5Ztn0
 _
( ゚∀゚)「もちろん、俺はクーのことならなんでも知りたい。なんでもだ。そう、なんでも」

川 ゚ -゚)「兄、涎が」

 おっと、と呟き、さりげなく紳士な風に拭き取った。
 ただの変態だ。
 _
( ゚∀゚)「でも、ま、別にいいだろ、そんなこと」

 そう言ってジョルジュは再びスプーンを動かし始めた。

 うんうん、と頷きながら口を動かす兄を見つめ、クーは笑った。

川 ゚ー゚)「そうだな」

その笑顔を垣間見たジョルジュは、「クーのことをひとつだって、どこぞの男に知られたくないだけ」などとは言えなかった。


74 名前:>>71し忘れたんじゃないんだからねっ 投稿日:2009/06/15(月) 00:13:06.29 ID:9RgE5Ztn0


***


(*^ω^)「よかったですおね!!」

(´・ω・`)「まあ素敵そうな王子でしょうね」

(*'A`)「え、あ、そんな、……えへへ……でも、ありがとう」

 お姫様は帰りなさってからさっそくいつものめしつかいにほうこくをしました。

 めしつかいはおおいによろこび、お姫様もうれしそうでありました。

(´・ω・`)「ところでその王子はどこの王子でしょうね」

('A`)「……どこの?」

( ^ω^)「街の王子ですかお?」

('A`)「街……」

 お姫様がしどろもどろになるのをみて、めしつかいたちに不安のいろがただよいます。


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/15(月) 00:15:05.53 ID:9RgE5Ztn0

(´・ω・`)「姫……まさか」

('A`)「………」

 お姫様はすっかりだまってしまいました。

 それでも、お姫様にはちゃんとしたきもちがありました。

('A`)「わたし、あの方が好き」

 めしつかいたちはすこしおどろき、顔をみあわせて首をかしげました。

 お姫様は、いつもにないお顔とお声で、うつむいていらっしゃいましたが、はっきりとおっしゃいました。

('A`)「それだけで、いいと思うの」

 だめかな、と、お姫様は笑いました。



                         つづく
面白い関係だ
面白いし、読みやすい
キャラもよくて、そして続きが気になる





  
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