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40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 21:55:15.83 ID:4MzA78IqO
 
(;,,゚Д゚)「不慣れなんてレベルじゃねーよ!」
  _
(;゚∀゚)「ナベちゃん、ものすごいドジっ子なんだよ!」

時々とんでもないことをしでかして、ビロードが大変な目にあうことはしばしばらしい。
多い時は日に数回もあるとか。
  _
(;゚∀゚)「泣け、泣くんだ、ビロード!!!」

(;,,゚Д゚)「もう無理だから! 泣け、ビロード!」

必死に怒鳴り祈るように手を合わせる2人。
ドクオの話では僕らは基本的に外部には干渉出来ないようだから、それはすごく無意味なことに感じる。
  _
(;゚∀゚)「んなこたねえ! 祈れば伝わる!」

(;,,゚Д゚)「ビロードの気持ちが伝わるように、俺らの気持ちも伝わるんだよ!」

そう信じている。
2人は口を揃えて言う。

(;^ω^)(信じてるだけかお……)
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 21:58:06.13 ID:4MzA78IqO
 
どうやら伝わっているという根拠はないらしい。
ただの偶然かもしれないのにバカらしい、そう思いはしたが、祈る2人の横顔は真剣そのものだ。
強面にチャラ夫が、赤ん坊のために必死に祈っている。
  _
(;-∀-)「泣け! ビロード、泣け!!!」

(;,,-Д-)「泣くんだゴルァァァァ!!!」

そんな姿を見た、僕がやるべき事は1つだ。

(;゚ω゚)「泣け! 泣くんだお! ビロードぉぉぉぉ!!!」

手を合わせ、必死に祈る。
そんな僕を見て、2人は一瞬だけ口元に笑みを浮かべ、すぐさま祈りに戻った。
  _
(;-∀-)(;,,-Д-)(;-ω-)「泣けぇぇぇぇ!!!」

( ><)『う……』

从'ー'从『あら?』


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:00:05.39 ID:4MzA78IqO
   
。・゚・( ><)・゚・。『ビェェェェーン!」

从'ー'从『あらあら、どうしたのかしら? おしっこかなー?』
  _
(;゚∀゚)(;,,゚Д゚)(;^ω^)「いよっしゃ!!!」

ビロードの口から哺乳瓶が外され、再びベビーベッドに寝かされる。
ナベちゃんはオムツを外しているようだ。

ようやく一息つけた僕らは、精も根も尽き果てた顔でお互いを見やり、盛大に笑い出していた。
  _
(;゚∀゚)「いやー、何とか今回も大事に至らずにすんだな」

(;^ω^)「お二方は毎回こんなことしてらしたんですかお?」
  _
( ゚∀゚)「おう。誰かさんが寝坊してたからよ」

(;^ω^)「お?」

(,,゚Д゚)「お前だけが目覚めるのが遅かったんだよ」

2人の話によると、ビロードは今大体生後半年ほど。
2人が目覚めたのはビロードが生まれて間もない頃だったと言う。


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:02:05.45 ID:4MzA78IqO
 
(,,゚Д゚)「その時にお前もいたのはわかったんだが、お前だけ起きなくてな」

(;^ω^)「それは申し訳ないことをしましたお」
  _
( ゚∀゚)「とにかく、これで俺たちがすぐ出て行かない理由がわかっただろ?」

(;^ω^)「ええ」

それはただの偶然なのかもしれない。
本当は、ビロードにこちらの祈りは通じていないのかもしれない。
でも、彼らの思いや行動は、ビロードのことを思ってのことだというのははっきりと理解出来た。

だから僕も、僕の答えを決めるのに迷う必要はなくなった。

(,,゚Д゚)「だから俺達は、少なくともビロードが自分の言葉で意思を伝えられるようになるまでは見守ろうかと思っている」

( ^ω^)「わかりましたお。僕も協力させてくださいお。えっと……」

(,,゚Д゚)「おっとすまん、まだ名乗ってなかったな。俺はギコ、お前と同じように仮称だがな。よろしくな」
  _
( ゚∀゚)「俺はジョルジュだ。よろしくな、ブーン」

( ^ω^)「はい、ギコさん、ジョルジュさん、よろしくお願いしますお!」


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:04:07.67 ID:4MzA78IqO
    
(,,゚Д゚)「さん付けはいらねーよ。敬語もな」
  _
( ゚∀゚)「俺達は死んだんだし、そんなこと気にしてもしょうがねーだろ?」

どうせ記憶も残ってないのだからと2人は言う。
2人とも状況的には僕と全く同じようだ。

( ^ω^)「そうでしたか……」

記憶もなく、やる事もない状況で半年間ずっとビロードの見る世界を、そしてビロードを見続けてきた2人。
果たして2人はどんな思いでここにいたのだろうか。

さっさとここを出て、生まれ変わった方が楽だったはずなのは容易に想像が付く。
それでもここにいる2人は、本当に心からビロードを思っているのだろう。
まるで自分の子供のように。

『たったいまー! ハニー、そしてマイサン!』

しんみりとした空気を打ち破るかのごとく、底抜けに明るい声が響く。
場違いなほどに浮かれたそこの声の持ち主が、色んな意味でとても幸せなのは想像に難くない。

(,,゚Д゚)「ウザいのが帰ってきやがったか……」

( ^ω^)「お?」


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:06:17.04 ID:4MzA78IqO

遠くの方で話し声が聞こえる。
その内容までは聞き取れなかったが、先の明るい声とナベちゃんが話しているようだ。
程なくしてドタバタと派手に走り寄る音が聞こえ、視界いっぱいに男の顔が広がった。

(><((・∀・ )『たっだいま~、ビロード! 今日も良い子にしてたかな~』

(><(『あーうー……』
  _
(;゚∀゚)「今日もまた一段とウゼぇぇぇぇ!!!」

ビロードに頬擦りするその顔は、状況から考えるにビロードのお父さんだと思われる。
きっちりとしたスーツ姿で、誰が見ても池面の部類に入るだろう。

( ^ω^)「おー、随分とカッコいいお父さんだおね」

美男美女の若夫婦、着ている物それなりに上質で、時々見えた室内の様子も中々綺麗だ。
やはりビロードは幸せな家庭に生まれて来たらしい。

(,,゚Д゚)「見た目は確かにな……」
  _
(;゚∀゚)「だが、こいつは際限なくウゼえんだよ」

父親、名はモララーというらしいが、彼を2人はあまり気に入ってないらしい。
2人はそういうが、彼くらいの年齢の男性が初めて出来た自分の子供に過剰な愛情を注ぐのはよくある話なのではないかと思う。
むしろそれだけ関心を持ってくれる父親の方が、ビロードにとって、そして母親にとって幸せなことだろう。


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:08:21.67 ID:4MzA78IqO
 
( ・∀・)『うむ、今日も僕に似て一段と良い男だ。あ、ママにも似てるからね、こう、目元とか』

( ><)『うー……』

( ^ω^)(あんま似てない親子だおね……)

顔立ちこそあまり似ていないものの、ビロードを抱き、頬を寄せるその姿は紛れもない家族であろう。
男性にしては赤ん坊を抱き慣れている姿を見ると、この人は普段からちゃんと子供の相手をしているのだろう。
ナベちゃんも子供の世話をモララーに任せて、別室で先のオムツの処理をしているようだ。

( ・∀・)『ねえ、ママ、ビロードはもうすぐ言葉を話せるようになるんじゃないかな?』

『えー? まだじゃないかなー』

(,,゚Д゚)「まだだよ、バカ。ビロードはまだ生後半年ぐらいだ。最低でもあと3ヶ月はかかる」

意外にもギコさんは子供に詳しいようだ。
似合わないと言いたい所だが、詳しい過去を詮索しようにも記憶がないので無駄なことだ。

( ・∀・)『うーん、まだなのかー……』

何事かをぶつぶつと呟き、モララーは綺麗にビロードを抱き直す。
左手をビロードのオムツが外された剥き出しのお尻に当て、ビロードの顔を正面に据えた。


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:10:05.91 ID:4MzA78IqO
   
( ・∀・)『なあ、ビロード』

( ><)『あーうー?』

( ・∀・)『君はもうすぐ喋れる様になる。それは確実だ』

+(・∀・ )『なんせ世界一優秀なこの僕と、世界一素敵なナベちゃんの息子なのだから、出来ない事は何もない』

( ><)『うー……』

( ^ω^)(……ああ、これは確かにウザいかもしれんね)

小声でビロードに言い含め、いちいちカメラ目線でポーズを決めるモララー。
ギコ達2人が言いたい事が少しだけ理解出来た。

( ・∀・)『君が初めて喋るその瞬間、それはさぞかし素敵なものだろう』

( ・∀・)『では、その第一声は何であろうか?』

(,,゚Д゚)「ママだろ」
  _
( ゚∀゚)「ママに決まってんだろうが」

( ^ω^)「ママかまんま辺りが無難だおね」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:12:32.65 ID:4MzA78IqO
 
( ><)『あーうー……』

( ・∀・)『そうか、そうだね、確かにママが順当な所だろう』

こちらの言葉が聞こえてるはずもないし、ビロードが何かを言ったわけでもないのにモララーは1人勝手に納得し、話を続ける。

+(・∀・ )『なんせ君と一番一緒に過ごしているのは、他ならぬあの素敵なママだろうからね』

( ・∀・)『だが、少し待って欲しい』

( ・∀・)『確かに、一緒に過ごしている時間はママが一番だろう。しかし──』

+(・∀・ )『君に対する愛情という点では、僕もママに負けてないんだ』

( ・∀・)『僕が君と一緒にいられないのは、君とママのために働いてるからなのだから』

( ><)『うー……』

( ^ω^)「……」

言っていることはわかるが、それをビロードに言ったところでわかるはずはないだろう。
少々呆れ気味に見ていたが、モララーの熱弁は止まる様子もない。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:14:25.87 ID:4MzA78IqO
  
( ・∀・)『だから君が最初に喋る言葉、その中にパパという選択肢もあってよいものではないだろうか』

( ><)『うー……?』

(><((・∀・ )『ほうら、パパですよ~。パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパに清き一票を』
  _
(;゚∀゚)(;,,゚Д゚)(;^ω^)「こいつ、ウッゼぇぇぇぇ!!!」

パパ、パパと連呼し、頬擦りを繰り返すモララーのウザさを僕はようやく理解した。

(;^ω^)「ビロード、絶対最初はママって言えお!」

( ・∀・)『パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ、パパですよ~』

( ><)『うー……』

(;,,゚Д゚)「こいつ、ホントにウゼえ」
  _
( ゚∀゚)「よし、そうだ、ビロード、そこでうんこしろ!」

(,,゚Д゚)「それだ!」

(;^ω^)「ちょwww」

バカなことを言い出すジョルジュに、ギコもすぐさま同意する。
そして先ほどと同じように、2人はまた祈りだした。


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:17:17.85 ID:4MzA78IqO
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「うんこ、うんこ、うんこ……」

(;^ω^)「いや、そんな事で必死にならんでも……」

僕の呟きは聞き流され、2人は必死に祈る。
ビロードの視界にはモララーがずっとパパ、パパ言い続けている姿が映っている。

(;^ω^)「どっちも必死すぎだろ……」

半ば呆れてはいたが、どうせやる事もないので僕も祈っておいた。
  _
( -∀-)(,,-Д-)( -ω-)「うんこ、うんこ、うんこ……」

( ・∀・)『パパパパパパパパ、ほうらパパだよ~、パパパパ』

( ><)『うー……』

( ^ω^)「お?」

( ・∀・)『ん?』

;;( ><);; ブルブル
  _
( -∀-)(,,-Д-)「うんこ、うんこ、うんこ……」


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:19:11.21 ID:4MzA78IqO
 
( ^ω^)「……」

( ・∀・)『……』

(>< )『……』

( ・∀・)『……何だろうね、この左手に感じる生暖かいものは』

( ><)『……』

(・∀・ )『ママ~、ちょっといいかな~?』
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「いよっしゃ! でかした、ビロード!」

(;^ω^)「お……」

子供のようにはしゃぐ2人を横目に、僕は呆れながらも少し驚いていた。
ビロードに2度もこちらの祈りが通じた事に。
勿論、取る行動の限られている赤ん坊の事だし、偶然の可能性の方が高いとは思うが。
  _
( ゚∀゚)「偶然じゃねーよ。心から思えば通じるもんだ」

聞きようによってはカッコいい台詞ではあるが、心から思った事がうんこなのはどうかと思う。
参加しといてなんだけど。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:21:14.99 ID:4MzA78IqO
  
( ^ω^)「つーか、必死すぎだお」

(,,゚Д゚)「いいんだよ、池面は滅びろ」
  _
( ゚∀゚)「リア充氏ね」

( ^ω^)「確かに池面でリア充っぽいけど、あんなのでもビロードの親だお」

何かあってはナベちゃんとビロードが困ることになるだろう。

(,,゚Д゚)「それもそうだな。よし、じゃあ、禿げろ」
  _
( ゚∀゚)「仕事に影響ない程度に股関節折れろ」

(;^ω^)「ひでえ」

子供のような悪態をつく2人に僕は冷ややかな視線を送る。
しかし、池面はともかくとして、僕らも生前はリア充だった可能性はあるのだ。
もう少し心を広く持ってもいいんじゃないだろうか。

(,,゚Д゚)「あー、それはないな」

( ^ω^)「お? 何でわかるんだお?」

2人とも僕と同じで自分の事に関する記憶はないはずだ。
ドクオにでも聞いたのか思ったが、どうやら違うらしい。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:24:10.75 ID:4MzA78IqO
 
(,,゚Д゚)「必死に思い出そうとしてみたら、何となくだがそれだけ思い出した」
  _
( ゚∀゚)「まあ、真っ先に思い浮かんだ単語なだけなんで、それが正しいという根拠はないが」

それでも、自分が思い付いた事だ。
信じようと思うと2人は言う。

( ^ω^)「……」

そんな2人の気持ちは、同じ境遇である僕にも少しわかる気がした。
自分の事を何も思えていない、何とも言えない頼りなさは僕自身も感じている。
何かしら拠り所を求める気持ちがあるのだろう。

( ^ω^)「それで、お2人の生前はどうだったんですかお?」

(,,゚Д゚)「おう。俺は多分、ホームレス」

(;^ω^)「ホームレス!?」

(,,゚Д゚)「おう、だからリア充は例外なく氏ね」

確かに非リアの極みだ。
つーか、それは思い出さない方が良かったんじゃなかろうか。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:26:37.44 ID:4MzA78IqO
  _
( ゚∀゚)「俺は、おっぱい宣教師」

(;^ω^)「おっぱい宣教師!? 何だお、それ?」
  _
( ゚∀゚)「そりゃお前、宣教師というぐらいだからおっぱいの良さを広く教え伝えてたんだろうな」

(;^ω^)「それは職業なのかお?」

まるで意味がわからない。
てか、多分それは生前の記憶じゃなくてただの願望だろう。
それに教えられなくてもおっぱいの良さは皆知っている。

(,,゚Д゚)「そういうお前はどうなんだ?」
  _
( ゚∀゚)「思い出してみろよ?」

(;^ω^)「お……」

2人に言われ、僕は目を閉じ必死に記憶を探り出そうと試みた。
僕も出来れば自分の事を知りたい。
知ったところで何かが変わるわけでもないのはわかっているが、それでも知りたいと願うのは必然だろうか。

( ^ω^)「……」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:29:25.66 ID:4MzA78IqO

しかし、僕は何も思い出せず、閉じていた目を開いた。
開いた目に、ビロードの視界に映るのは、幸せそうなナベちゃんの笑顔と、引きつり笑いながらも幸せそうな
モララーの顔だ。

ヾ(〃><)ノシ『あーうー……』

从'ー'从『アハハ、ビロードちゃんはわんぱくだね~』

(;・∀・)『パパをうんこまみれにするとは、わんぱく過ぎる気もするけどね……』

( ><)『うー……』

( ・∀・)『まあ、でも、安心したよ。生まれてすぐはこんなに強い子じゃなかったしね』

( ・∀・)『お医者さんには産後の肥立ちを心配されたけど、中々どうして元気いっぱいじゃないか』

ヾ(〃><)ノシ『だー』

从'ー'从『そうだね~、ビロードちゃん元気だよね~』

( ・∀・)+『わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい、というところかな』

( ><)『だー』


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:32:10.72 ID:4MzA78IqO
  
从'ー'从『ビロードちゃんは幸せかな~? ママはビロードちゃんがいて幸せだよ~』

( ・∀・)『勿論、パパも幸せだよ』

ヾ(〃><)ノシ『だー』

( ^ω^)「……」

幸せそうな家族の姿。
ビロードの目に、僕の目に映るその姿は、紛れもなく幸せに包まれた姿だ。

僕は……僕の記憶はは……

( ;ω;)「僕は……」

不意に涙が溢れた。
何だろう、この感じは?

何故だかわからないけれど、涙が溢れる。
でもこれは、この涙は悲しい涙じゃないのは何となくわかった。


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:34:34.60 ID:4MzA78IqO

( ;ω;)「僕は幸せだったお」

僕はただそれだけを思い出した。
僕は幸せだった。
僕は僕としての最後の瞬間まで幸せだったはずだ。

でも……

ξ;⊿;)ξ

何故か思い浮かぶ姿は、誰とも知らない人の泣き顔だった。

( ;ω;)「僕は……僕は……」

(,,゚Д゚)「……わかった、お前は幸せだったんだな」

( ;ω;)「お……」
  _
( ゚∀゚)「オーケィ、それだけわかればいいじゃないか」

2人から肩をポンポンと叩かれたような感触があった。
意識だけの存在のはずなのに不思議なことだが、きっと2人の慰めようとしてくれている気持ちがそれを感じさせて
くれたのだろう。


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:37:06.68 ID:4MzA78IqO

僕は2人に礼を言い、涙を拭った。
涙の意味はわからないが、とても大切だったものだと僕には感じられた。

(,,゚Д゚)b「とにかく、これからは共同生活だ」
  _
( ゚∀゚)b「一緒にビロードの成長を見届けようぜ」

( ^ω^)b「……うんお!」

僕らは3人で固い握手を交わす。
勿論、実際に握手は出来ないのだが3人の気持ちは同じだったはずだ。



こうして、ビロードの幸せを守るための僕らの奇妙な共同生活が始まった。


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:41:00.61 ID:4MzA78IqO
 
  ∧ ∧
( ФωФ) ナー

( ><)『うー……』

(;^ω^)「ナベちゃんどこだお!?」
  _
(;゚∀゚)「多分、あっちの方でご近所さんに捕まってる!」

(;^ω^)「何だお、この猫? あっちに行けお!」

(#,,゚Д゚)「このベビーカーにはお前の食い物はないぞ、ゴルァ!」
  _
(;゚∀゚)「ビロード、泣け、泣いて追い払え!」
  ∧ ∧
( ФωФ) ナー

( ><)『うー……』

(;^ω^)「ビロード、その哺乳瓶を投げるんだお!」

(#,,゚Д゚)「殴れ、ビロード!」
  _
(;゚∀゚)「ナベちゃーん!!!」」


時に危機を乗り越え……


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:43:22.17 ID:4MzA78IqO
  
从*'ー'从『さあ、ゴシゴシしてきれいになりましょうね~』

( ><)『う……』
  _
(;゚∀゚)「ビロード、そっちじゃない! ナベちゃんを見るんだ!」

( ><)っ( ゚∋゚)『あーうー……』

从*'ー'从『ビロードちゃんはアヒルさんが大好きだね~』
  _
(;゚∀゚)「アヒルはポイしなさい! ビロード、ナベちゃんを、ナベちゃんのおっぱいを見るんだ! さあ!!!」

(,,゚Д゚)「必死すぎだろ……」

(〃><)っ( ゚∋゚)『だー』
  _
(;゚∀゚)「だからアヒルはいいんだって! ビロード、ママだよママ! 大好きなママを見ようね~!」

( ^ω^)「ギコさんは興味ないんですかお?」

(,,゚Д゚)「いや、まあ……」

(,,-Д-)「最初は俺もジョルジュと同じような反応だったけどな」


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:46:07.76 ID:4MzA78IqO
 
从*'ー'从

(,,゚Д゚)「あの笑顔を見るとな」

( ^ω^)「……やさしい笑顔だおね」

(,,-Д-)「ああ、親が子供に向ける慈愛に満ちた笑顔だ。そういう風には見られねえよ」

( -ω-)「ええ……」
  _
(;゚∀゚)「そう、ママだよ、ママ! もう少し、もう少しだけ下を見ようね、そうそう、もう少し」

(,,-Д-)「……」

( -ω-)「……」

( ><)『だー』
  _
(*゚∀゚)「よぉぉぉし、見えた!!! でかした、ビロード!!!」

(*,,゚Д゚)(*゚ω゚)「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


時に慈しみ……


70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:49:33.06 ID:4MzA78IqO
 
( ><)『あーうー……だー……』

( ・∀・)『よーしよし、ビロード、パパだよパパ、パパのパに、パパのパでパパだよ~』

从'ー'从『ウフフ、ビロードちゃん、幸せそうに笑ってるね~』

ヾ(〃><)ノシ キャッキャッ

( ・∀・)+『もうそろそろ喋りだす頃だよねパパ。本当に待ち遠しいパパよ

(;^ω^)「相変わらずウゼえ……」
  _
( ゚∀゚)「わかってるなビロード、最初は絶対ママだぞ?」

( ><)『あーうー……?』

( ・∀・)『お、どうしたパパ、ビロード? ひょっとしてパパと呼びたくなったパパかな?」

(,,゚Д゚)「ママだ、ママ」

( ><)『う……』

从'ー'从『?』

(>< )『う……』

( ・∀・)『お?』

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:52:10.47 ID:4MzA78IqO
  
(>< )『……』

( ><)『……』

从'ー'从『どうしたのかな~、ビロードちゃん?』
  _
( ゚∀゚)「よし、そのままナベちゃんを見続けるんだ!」

( ^ω^)「ママだお、ママ!」

( ><)『……』

( ・∀・)『は~い、ビロード、パパはこっちですパパよ~?』

(,,゚Д゚)「無視しろ、無視」

( ><)『……』

( ><)『……マ……』
  _
(;゚∀゚)(;,,゚Д゚)(;^ω^)「よぉぉぉぉし!」

从'ー'从『?』

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:55:12.33 ID:4MzA78IqO
 
( ><)『……マ……』

( ・∀・)『パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ』
  _
(;゚∀゚)(;,,゚Д゚)(;^ω^)「ママママママママママママママママママ」

( ><)『……マ……』

( ><)『……マ……』

( ><)『マッパ』

从'ー'从( ・∀・)『……』
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)「……」

(〃><)『マッパー』

( ・∀・)『……マッパ?』
  _
(;゚∀゚)(;,,゚Д゚)(;^ω^)「……ええと」

从*'ー'从『わ~、ビロードちゃんが喋ったよ~! すご~い!』

( ・∀・)『うん、喋ったね。喋ったけど、その中身が問題だよね」



75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 22:58:04.65 ID:4MzA78IqO
  
( ><)『うー……?』

( ・∀・)『愛すべき我が子の第一声が“マッパ”……』
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)「wwwwwwwww」

ヾ(〃><)ノシ『マッパー』

( ・∀・)『……しかしビロード、何故君が僕の高校時代のあだ名を知ってるんだね?』

从'ー'从『え?』

( ・∀・)『え?』
  _
(;゚∀゚)(;,,゚Д゚)(;^ω^)「どんなあだ名だよ……」

ヾ(〃><)ノシ『マッパー』


時にその成長を見守り……


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 23:00:26.85 ID:4MzA78IqO
 
( ><)『うー……』

从*'ー'从『すご~い! ビロード君が立ったよ!』
  _
(;゚∀゚)(;,,゚Д゚)(;^ω^)「うぉぉぉぉ!」

( ・∀・)+『ビロード大地に立つ。感動の瞬間だね』

从'ー'从『うんうん』

(〃><)『マーマー』

从*'ー'从『は~い、ママはここですよ~』

( ・∀・)『まだ歩くのは無理じゃないかな? ほら、ビロード、パパだよー』

( ><)『?』

( ・∀・)『ほら、こっちこっち』

(〃><)『マッパー』

( ・∀・)『……うん、そろそろ僕をパパと呼んで欲しいかな』

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/27(日) 23:02:46.28 ID:4MzA78IqO
  _
( ゚∀゚)「うるせー、全裸野郎」

(,,゚Д゚)「禿げろ」

( ^ω^)「お前なんかマッパで十分だお」

(〃><)『マッパー』

( ・∀・)『ウフフ……、中々強情な子だね、君は。一体誰に似たのやら』

从*'ー'从『アハハ、ビロードちゃん、楽しそう』

ヾ(〃><)ノシ『だー!』

从*'ー'从『ビロードちゃん、幸せかな~』

ヾ(〃><)ノシ『しやわせー』

( ・∀・)『ビロード、パパだよー』

ヾ(〃><)ノシ『マッパー』
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)「wwwwwwwww」


幸せな日々は瞬く間に過ぎていった……

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