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目次
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:15:19.78 ID:vES3L147O



   ※



 狭い空間にチャイムが鳴り響く。
 反響し音が尾を引くそこは、薄暗い階段の踊り場だ。
 上へ続く段は無く、代わりというように付いている扉は錆付き、長い間使われていない事を示していた。
 下へ続く段には、横に張られた紐に立ち入り禁止の札がぶら下がっている。
 そして踊り場には三つ人影と、同数の光がある。
 学生服の三人組だ。
 一様に腰を落とし楽な姿勢で、タバコをくわえては様々な煙を吐き出す。

<ヽ`∀´>「……ああ、だるいニダ……」

( ´ー`)「ニダーそればっかw」

(・∀ ・)「口癖ー?」

<ヽ`∀´>「いやちょっと聞くニダよ」

 そう言い、長い茶髪の少年がタバコの火を床に擦り付け捨てた。

<#ヽ`∀´>「最近あの暴力馬鹿の二人組は、調子に乗ってると思わないかニダ?」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:16:03.95 ID:vES3L147O
 歯噛み、苦々しげに吐き捨てる。
 それに対し両耳に三連ピアスをした少年が、

(・∀ ・)「あ、それちょっと俺も思ってたよ?」

<#ヽ`∀´>「だろニダ? マジで一発かましとかないと腹の虫が治まらないニダ」

 そう言い、両耳ピアスを指差す。
 だが輪の煙を吐き出した色黒の少年が、

( ´ー`)「……つってもどうやってだよ?
      ハインはもちろん、ジョルジュも結構ケンカ強いんだぜ?」

 と反論する。
 それは、と口籠もる長茶髪。

( ´ー`)「ていうか、あいつらに構わなくてよくね? シカトしとけばいいじゃねーの?」

 すると長茶髪は舌打ちし、

<ヽ`∀´>「……シラネーヨ、ノリが悪いニダね」

(・∀ ・)「今更チキン?w」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:17:13.29 ID:vES3L147O

( ´ー`)「は? 別にそんなんじゃねーよ。 だけどニダーは理由あるけどさ、
      元々俺とサイトウ関係無いじゃん」

 そうだっけ、と疑問に首を傾げる両耳ピアス。
 そうだよ、と色黒がいい、

( ´ー`)「ニダーが四月に学校でヤニ吸ってるの、生徒会長に見つかったのがそもそもの発端じゃん。
      停学くらったお礼参りに行ったら返り討ちにされて、それで弟のブーンをやろうって」

(・∀ ・)「あー思い出したわ、そしたら今度は居合わせたあのレスラーカップルに、
      ボロクソにされたんだっけ?」

 両耳ピアスは皿にした手に縦拳をトン、と振り下ろす。

<#ヽ`∀´>「下らないこと思い出すんじゃないニダ」

 それに、と呟く。

<ヽ`∀´>「……一目見た時から、あいつは何か気に入らないニダ。 生理的不快感というか……
      性格とかそういうのじゃないニダ。 雰囲気? あいつがウリ達と同じ場にいると、
      凄く違和感を感じるニダ」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:18:28.68 ID:vES3L147O

(・∀ ・)「そうかー?」

( ´ー`)「つうか超毒舌wwブーンが虫かなんかみたいな言い方だなwww」

<ヽ`∀´>「そうかもニダwww」

 三人で可笑しそうに笑い合う。

<ヽ`∀´>「と、そうニダ。 二人に良い物をやるニダ」

 長茶髪はポケットに手を突っ込むと、何かを取り出した。
 手の平の上には薄暗い中でも目立つ、一センチ程の白い錠剤が三粒。

<ヽ`∀´>「今流行ってるアレニダ。 昨日やっと手に入れたニダ」

(;・∀ ・)「え? ちょ、嘘、マジ?!」

(;´ー`)「どうやって手に入れたんだ?!」

 二人が目を見開く。

 長茶髪はニヤリと笑うと、自慢気に言う。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:20:10.33 ID:vES3L147O

<ヽ`∀´>「知り合いから売場を教えてもらって、買ってきたニダよ。
      早速皆でやってみるニダ」

(;´ー`)「え? こ、ここでか?」

 辺りを見回す色黒を置いて、両耳ピアスが手を伸ばして錠剤を摘む。

(・∀ ・)「おおー面白そうじゃんww? シラネーヨもしかしてビビっちゃったwww?」

(;´ー`)「はあ?! ちげーよ何言ってんの?!」

 まあまあ、と長茶髪が錠剤を差し出し、

<ヽ`∀´>「これは普通のヤクと違って、一時間くらいちょっとテンションが上がるだけニダ。
      副作用とか依存性も無い、ノーリスクノーリターンなお薬ニダよ?」

(;´ー`)「でも、それなら酒でもいいんじゃ?」

<ヽ`∀´>「酒は顔に出るし、教師や警察に見つかったら面倒ニダ。
      それに比べて、これはどんな検査に引っ掛からない新薬だから、証拠は残らないニダw」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:21:31.21 ID:vES3L147O

(;´ー`)「だけど……」

(・∀ ・)「うはwww何それ凄くねwwww? 良い仕事してますねえwww?」

 言い淀む色黒を遮り、両耳ピアスがさも面白いと笑い出す。


<ヽ`∀´>「ほら、シラネーヨ」

 強引に目の前に突き出された錠剤を、強ばった面持ちで慎重に手に取る。
 三人とも目の前の錠剤を見つめ、

<ヽ`∀´>「いいニダか?3、2、1で飲むニダよ」

(;´ー`)「……わかったよ」

(・∀ ・)「なあ、これ飲んだらテンションに任せてバックレないww?」

<ヽ`∀´>「いいニダねwwカラオケ行くニダwwwじゃあ……」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:22:28.78 ID:vES3L147O





 3



 2

 1――







55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:24:44.11 ID:vES3L147O



   ※



 チャイムの高音が連続で校舎に響く。
 それとともに、教室に会話の声が満ちていくのをブーンは聞いていた。
 鞄から弁当を取り出して、それを包んでいた青色の包みを机に広げる。
 同じように弁当を取り出す者や、真っ先に教室から出ていく者がいる中、
  _
( ゚∀゚)「お早ようブーン、良い匂いがするな」

( ^ω^)「お早ようだおジョルジュ」

 眠たそうに目を細めるジョルジュは、空いている前の席の椅子に背もたれを前にして座った。
  _
( ゚∀゚)「いやあ、よく寝た。 さっきの授業何やってたっけ?」

( ^ω^)「数学だお」
  _
( ゚∀゚)「なるほど納得。 熟睡できるわけだ……」

( ^ω^)「何しても起きないから、最近は先生諦めちゃったおね……」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:25:59.40 ID:vES3L147O
 遠い空にうんうんと頷くジョルジュを見て、胸中とある数学教師に同情した。  _
( ゚∀゚)「大丈夫だって、数学なんて算数と公式を覚えてれば赤点取らねえよ」

 ほら、と片手を突き出し、
  _
( ゚∀゚)「フレミングの公式~」

( ^ω^)「……ジョルジュそれフレミングの法則だし、科学だし、しかもその手は所謂ぐわしだお」
  _
(*゚∀゚)「ば、馬っ鹿、知ってるってそれくらい、わざとわざとっ」

 なんか頬染めてくねくねし出した。
 じゃあ、と言い、

( ^ω^)「中学の最初に習ったバルキスの定理は当然解けるおね?」
  _
(*゚∀゚)「え? あああ解ける解ける! あれねバルキスね楽勝じゃん!
      よーしお父さん頑張ってバルっとお見通しだー」

从 ゚∀从「……馬鹿は趣味だけにしてくれよ」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:28:20.99 ID:vES3L147O
すみません何か携帯の様子がおかしいので、10分トイレ休憩してきます

60 名前:再開[] 投稿日:2008/11/12(水) 02:43:27.76 ID:vES3L147O
 ジョルジュの後ろに、半目のハインリッヒが呆れた声とともに歩いてきた。
 両手に二つ、赤とピンク色の弁当箱を持っている。

从 ゚∀从「よくそんなで高校入れたよなあ」
  _
( ゚∀゚)「そこはあれよ、ブーン大明神の御利益ありんや」

( ^ω^)「あの時は苦労したお。 ジョルジュも頑張ったお」

 中学三年の最後は、ジョルジュに勉強を教えた思い出しか無い。
 ペニサスの通っている学校に三人揃って入学したいとジョルジュが言い出し、
来る日も来る日もブーンの部屋で頭を捻らせていた。

 ハインリッヒやペニサスに教わったこともあった。
 授業中ノートに落書きでも書いてあればマシなほうなジョルジュが、
よく耐えて努力したものだと当時は思ったものだ。
  _
( ゚∀゚)「まあ俺天才だしー。 やれば出来るイケメンみたいな?」

从 ゚∀从「まあ入学したらすっかり元通りだけどな。
   あと疑問視しなくとも確実にお前はイケメンじゃないから覚えとけ」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:44:57.91 ID:vES3L147O
 赤の弁当をジョルジュの前に置き、ブーンの隣の席をくっつけ座る。
  _
( ゚∀゚)「さて俺の嫁、今日のご飯は何ぞや?」

从 ゚∀从「はいはい、いつもの冷凍食品と日の丸ですよー」
  _
( ゚∀゚)「そうかそれは美味そうだな! それじゃあ頂きま」

 す、と言い掛けて、唐突にジョルジュの動きが止まった。

( ^ω^)「? どうしたお?」

 ハインリッヒもわけがわからないらしく、眉をひそめている。
 その時、微かに音が響いてきた。
 段々と大きくなるのは、耳を打つような高速の鼓動音。

( ^ω^)(……バイクのマフラーの音?)

 近付いてくるそれは、学校の校門の方向で止まった。
 急いだ動きでジョルジュは立ち上がると窓に近付き、
  _
( ゚∀゚)「……やっぱりだ。 俺のバイクが来てる」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:46:09.02 ID:vES3L147O
 ハインリッヒと目を見合わせる。

( ^ω^)「どういうことだお?」

从 ゚∀从「さあ? ていうかジョルジュ、音だけで自分のわかるんだな。
      正直引くわ」

( ^ω^)「いやまあジョルジュだし……そこ取ったら本当にただの金髪オッパイヤーだし……」

从 ゚∀从「馬鹿、本人に聞こえたらどうするんだよ。      でもこれ聞いて後悔と猛省して頭治らないならないかなあ」
  _
( ゚∀゚)「おいおいお前ら、当事者スルーで傾聴プレイですかよ?」

 半目のジョルジュを無視して、二人でジョルジュの横に並ぶ。
 二階から見下ろせば、校庭を挟んだ校門の前。
 遠く小さいが、確かに黒いカウルのバイクが一台停まっていた。

 乗っているのは、カウルと同色のフルフェイスヘルメットと服装の人物。

( ^ω^)(……誰だお?)

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:47:55.91 ID:vES3L147O
 ジョルジュの親はバイクの修理工に務めており、その影響か本人もバイク好きだ。
 今年念願の愛車を買い、愛娘の父親のごとく自慢していた。
 だがジョルジュの父親は仕事中のはずだし、母親は二輪免許を持っていない。

 ましてや兄弟もいない、一人っ子だ。

从 ゚∀从「勘違いじゃねえのか?」
  _
( ゚∀゚)「いや、間違いなく俺のCBだ。 聞き違いも見間違えもねえ」

 きっぱりと答える。
 じゃあ、とハインリッヒが言い、

从 ゚∀从「……あれに乗ってるの、誰だよ?」

 今度は答えなかった。
 代わりに小さく、
  _
( ゚∀゚)「まさか……あいつか……?」

 呟いた。

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:48:56.18 ID:vES3L147O



   ※



 校門前、バイクにまたがった黒のライダーは、先に見える四階建ての校舎を見ていた。

(   )「……クー」

 呟くと、コンソールにセットされたケータイからホログラムが浮かび上がる。
 闇色の流麗な長髪に、切れ長の目の美麗な顔、髪と同じ色のドレス。
 それは、手の平ほどの大きさの女性の姿だった。
 クーと呼ばれた彼女は、無表情に菫色の瞳を校舎に向ける。

川 ゚ -゚)「あそこだ。 現在の反応は一つ、この前と同じ波長」

(   )「了解。 民間人は?」

川 ゚ -゚)「……警報装置がある。 これで避難できるはずだ」

(   )「了解」

 ハンドルを握り込み、エンジンを吹かす。
 高速で鼓動する鉄の上、微かに透けたヘルメットの下から、ライダーが瞳を覗かせた。
 その瞳は、暗い光を宿して燃えていた。

(   )「――殺す。 奴らは、全て……!」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:51:08.66 ID:vES3L147O



   ※



 最初に感じたのは不快感だった。
 意識の浮上感とともに、強烈な嘔吐感が込み上げてくる。
 視界がはっきりしてくると、自分が横向きに倒れていることに気が付いた。

( ´ー`)(……俺……何して……?)

 頭が痛い。
 口内が苦い。
 目の前には自分が吐いたのだろう、溶解したものが広がっていた。

( ´ー`)(確か……急に苦しくなって……皆……)

 そうだ。
 ニダーから貰った薬を飲んだ後、三人とも苦しみだしたのだ。
 起き上がろうとして割れるような頭痛を感じ、ゆっくりと手を突いて動く。

 上半身を持ち上げると、目の前にサイトウが倒れていた。

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:52:49.60 ID:vES3L147O
 大丈夫か、と声を掛けようとすると、

<ヽ   >「……おきタかニダ」

 声に振り向く。
 そこには、

<ヽ゚,,.p)「ダイじョーぶニダか、シラネーヨ」

 人じゃない何かがいた。
 水晶のような、硬質の目。
 皮膚の代わりに張り付いた、ぬめった灰色の表層。
 頭髪が無く、代わりに前頭部に生えた禍々しい一本角。

<ヽ゚,,.p)「どうシたニダ、おドロいたカおして」

 角張った鎧のような体に、間接部の隙間から見える紫の筋肉。
 耳元まで裂けた口に並ぶ鋭利な牙の間から、太く長い紫の舌が垂れ下がる。
 そして。
 顔の半分だけが、ニダーと同じだった。

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:54:38.80 ID:vES3L147O
<ヽ゚,,.p)「ああ、ソれよりキいてほシいニダ。 いまとテもキブんがいいニダ」

 人じゃない何かは、ニダーと猛獣の唸り声を混ぜた声をしていた。

(ヽ゚,,.p)「やッパりあのクスリはすごイニダ。 しラねーよモそうオもワないカニダ?」

 残っていた部分も、徐々に灰色の表層に呑まれていく。

(ヽ゚,,.p)「しかとスるなニダ。 コタえるニダ」

 こちらに近付いてきた。
 自然と息が悲鳴の音になる。
 なりふり構わず手足をばたつかせ、何とか逃げようとする。
 だが、麻痺したように体が上手く動かせない。
 悪夢でも見ているようだった。
 思考が着いていけず、目に涙が溢れてきた。

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2008/11/12(水) 02:55:39.17 ID:vES3L147O
( ゚,,.p)「しらネーヨはのりガワルイニダネエ。 ウリキレチャウニダよ」

 一歩。

( ゚,,.p)「ソウニダヨ……あアアアソウニダ。 ムカツイテキたニダ」

 一歩。

( ゚,,.p)「ムカツクニダ……ニクイニダ……! コンナニニクイノハハじメテニダ!」

 一歩。
 距離が近付いていく。

( q,,.p)「シネ……! シンデシマエニダアアアア……!」

 目を閉じることも出来ず。
 悪夢の影が、自分に覆い被さった。





  
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