上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 20:26:48.32 ID:bx+5NkgR0
 
『俺の将来の夢は漫画家だ』

……なんて事は、口が裂けても周りには言えない。

だって、そうだろ?
今時、漫画家志望なんて言ったら、オタクだ何だと馬鹿にされる世の中だし。

それに、今の若い奴ら(俺もだけど)は安定志向が強くて
将来は公務員になりたいだの、大企業に勤めたいだの。

まあ、そんな訳で。
俺も周りと口を合わせつつ、今日もどーでもいい友達もどきと昼飯を食っていた。

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 20:32:12.02 ID:bx+5NkgR0
 
( ,,゚Д゚)『プロになれたのは、日々の努力のお陰です』

いつもと変わらない、学び舎のとある教室。
テレビという箱の中で、この度メジャーデビューするギコとかいう選手がインタビューを受けていた。

( ゚∀゚)「努力だってよwww努力だけでメジャー行けたらそこらじゅう天才だらけだっつーのwwww」

( ^ω^)「だおだおwww天才に限って努力努力wwwwワロスwwww
       なあ、ドクオもそう思うお?」

('A`)「ああ、そうだな」

玉子焼きを箸でつまみながら、俺は無難に肯定しておいた。
友達もどきのジョルジュとブーンは、まだユカイそうに笑っている。

( ^ω^)「つーかさwwwwギコ選手って年俸30億ドルっしょ?wwww
       そんな人に努力とか言われても説得力ねーおwwww」

( ゚∀゚)「だよなーwwww」


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 20:35:30.99 ID:bx+5NkgR0
 
('A`)「……」

へらへら笑っている二人の横顔を見て、俺は思った。

お前ら、努力したことあんのかよ?

喉元まで出掛かって、慌てて飲み込む。
危ない危ない。また、空気をぶち壊すところだった。

( ゚∀゚)「そういやさー、ブーンはもう進路希望表出した?」

( ^ω^)「あたぼーよwwww第一志望はラウンジ一高にしたおwww」

( ゚∀゚)「おー、無難やねー。ま、内藤の内心点なら余裕で面接パスっしょ」

( ^ω^)「だおだおwww試験とかまじやってらんねぇおwww」

( ゚∀゚)「だよなーwww良い子ちゃんにしてりゃ面接だけで高校は入れるとか、ほんとゆとり最高だよなww」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 20:39:23.10 ID:bx+5NkgR0

('A`)「ごっそさん」

二人がぺちゃくちゃ喋っている間に、俺は昼飯を終えた。

( ゚∀゚)「あれ? ドクオもう食ったのかよ。はえー」

('A`)「早食いなもんでね。どうも」

お前らと一緒に居たくないからだよ。
本音はな。

( ^ω^)「そーいやドクオは進学先どこにするんだお?」

俺は少し考えてから、言った。

('A`)「VIP高校」

( ^ω^)「ふーん」

( ゚∀゚)「ドクオって内申良かったっけ? あそこ結構むずいぞ?」

('A`)「なんとかなるっしょ。たぶんね」



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 20:43:39.79 ID:bx+5NkgR0

曖昧に答えて、俺は逃げるように席を立った。

('A`)(バーカ、ぶっちゃけキツイよこんちくしょう……)

VIP高校は、はっきり言ってレベルが高い。
今の成績じゃ、試験でかなり高得点をとらないと入れないだろう。

それでも。
俺はVIP高校に入らなければならなかった。

恩師との約束を、果たす為に。

こんな事を言ったら笑われるだろうから、当然、友達もどきには秘密だけどな。

('A`)「さて、図書室に行くか」

俺は鞄を持って、廊下に出た。
テレビでは、まだインタビューが続いているようであった。

( ,,゚Д゚)『お金は使い切れないので、アフリカの子供達の為に寄付をしています』

立派だね、どうも。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 20:48:00.37 ID:bx+5NkgR0


昼休みの図書室には、人がいない。
図書委員はいる。
でも、友達もどきはいない。そういうこと。

('A`)「さて、やるか」

俺は鞄から漫画道具一式(といっても、ペンと原稿だけど)を取り出し
応募用の漫画の続きを描き始めた。

('A`)「えーっと、確か主人公がトラックに轢かれそうになった幼女を助けて、
    正体がばれちまった所からだな……」

原稿を捲り、描き途中の部分のページを取り出す。
俺はペンを握り、集中して、物語を描き始めた。


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 20:51:48.35 ID:bx+5NkgR0
 
13ページ目

(*゚ー゚)「お兄ちゃん、飛んだ・・・」

(主・∀・)(し、しまった~~! 僕が能力者――ファミティクシアだって事がばれちゃった!
      このままじゃ敵対組織にばれたらこの子の命も危うきにならしもず!)

(*゚ー゚)「お兄ちゃんって魔法使いなの?」

(主・∀・)「え!? えーっと、あ、ああ。そうだよ。
      この事は誰にもいっちゃ駄目だよ?」

(*゚ー゚)「うん、わかった!私の名前はしぃっていうの!」

(主・∀・)「そうかぁ。僕はモララーよろしくね!」

しかし、電柱の影に怪しげな男が・・・

( ∵)「ククク、こいつぁ使えそうビコズ・・・」

〆 14ページへ。


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 20:58:34.42 ID:bx+5NkgR0
 
('∀`)(何と!その怪しげな男の正体はファミティクシアを狩る組織。
    ドラゴンブレスケアの幹部ビコーズであった・・・!ブレイクランスを操るビコーズ。
    モララーは、しぃを護る為に封印していた力を解放する・・・!)

頭の中に、次の風景がどんどん浮かんでくる。
調子がいい証拠だ。ペンはすらすらと進み、漫画が見る見る完成へと近づいていく。

('∀`)「この力だけは使いたくなかった……でも、使うしかない!
    行くぞ、バクシードッ! その能力はかつて一族を滅ぼした冥王の力!」

自然と、口から言葉が出てしまう。
臨場感が増してきた。よし、このまま一気にバトルシーンだ。

从 ゚∀从「冥王? そりゃどこの王様だよ」

('∀`)「ばっか、冥王っつったら冥界を支配する魔王よりも更に上の力を持つ……」

カッ、という音を立ててペンが止まった。
待て待て待て、落ち着け。

今、誰かの声が聞こえたような気がするけど、きっとそれは。

('A`)「空耳……だと、いいなぁ」


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:02:36.29 ID:bx+5NkgR0
 
希望を込めて、振り返った。

制服のボタンをだらしなくあけた、ミニスカで、金髪の
いかにも不良入ってますな女子がそこに居た。

从 ゚∀从「あんた、こんな図書室の奥で何やってんの?」

(;'A`)「ど、どわああああっ!」

俺は慌てて、漫画を手でかき集め裏返しにした。
いかん! こんなもんを見られたら、中学校最後の一年をこんな風に過ごすハメになってしまう!

「あいつオタクだぜーぷぷぷ」
「プギャーwww漫画家志望とか夢見すぎだおwww」
「おっす、おらニート!ぎゃはははは」etc etc...

それだけは、いかん。
ハブだけは、村八分だけは精神的にもプライド的にも耐えられないんで!


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:06:32.90 ID:bx+5NkgR0
 
从 ゚∀从「何これ、漫画? なになに、秘密組織ファミ……組織名長いなオイ」

(;'A`)「わー! す、すいません返して下さい見ないで下さいお願いします!」

ばばばっ! と疾風の如く金髪さんの持っているページを回収する俺。
金髪さんは、慌てる俺を見て微笑みニヤリ。

すっごく嫌な予感しますよ、奥さん。

从 ゚∀从「はっはーん。なるほどねー」

(;'A`)「な、なんすか?」

金髪さんはうんうんと頷く。

从 ゚∀从「あんた、隠れオタクってやつだろ」

(;'A`)「へ・・・?」




28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:10:17.09 ID:bx+5NkgR0

从 ゚∀从「んで、これはいわゆる同人誌ってやつでしょ?」

同人誌・・・?
何の事だか、よく分からない。

('A`)「あ、いえ、俺は……その」

从 ゚∀从「いいよいいよ、言わんでも。別にあんたみたいな一見普通そうな男子がエロ漫画描いてても
     一向に気にしねーたちだから、あたしは」

エロ漫画・・・? って、おい!

(;'A`)「ち、違いますって!これエロ漫画じゃないっすから!」

从 ゚∀从「え?エロ漫画じゃねーの?」

(;'A`)「当たり前でしょうが!少年誌向けなんだから、エロなんか邪道……
    いや、サービスシーンくらいはありかもしれないけど、とにかくこれはバトル漫画なんで誤解しないでくだしあ!」

超早口でまくしたてるおれドクオ十五歳。
最後の方は噛んでしまった。
やむなし。



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:14:07.98 ID:bx+5NkgR0

从 ゚∀从「エロ無しか・・・でも、それ売れんのかぁ?
     どーじんしって言ったら、エロかホモがねーと売れないって兄貴が言ってたぞ」

(;'A`)「その、どーじんとか言うのは知らないですけど・・・とにかく、俺のは違いますから!」

そこまで言って、はたと気付いた。
俺、漫画描いてるって言っちゃだめじゃん!

――

( ゚∀゚)「あいつオタクだぜーぷぷぷ」 ( ^ω^)「プギャーwww漫画家志望とか夢見すぎだおwww」
( ゚∀゚)「おっす、おらニート!ぎゃはははは」etc etc...

――

頭の中を友達もどきが駆け巡った。
いかん、何とかごまかさないと。

从 ゚∀从「へえー。じゃあ、あれか。
     どーじんじゃなくて、プロの漫画家志望ってやつ? 君」

('A`)「断じて違います!」


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:18:24.34 ID:bx+5NkgR0

俺はかぶりを振りつつ、きっぱりと否定。

(;'A`)「えっと、その、これは従兄弟が描いてる漫画でして……
     俺は全然、描いてないです。描くわけないじゃないですか、漫画なんて」

从 ゚∀从「さっき思いっきり描いてたじゃん。覚醒するーとか、色々呟きながらさ」

(;'A`)「・・・もしかして、結構見てました?」

从 ゚∀从「五分くらいねー」

こともなしげに言う金髪さん。
終わった。
俺の中学校生活オワタ。

( ゚∀゚)「あいつオタク(ry

明日にはもう学年中に広まって、友達もどきがいじめっこもどきに変わるだろう。
目の前が真っ暗になった。
どうしよう・・・絶望した。なんて、こんな時にも漫画ネタが頭の隅を過ぎっていく。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:23:47.73 ID:bx+5NkgR0

('A`)「ハハ・・・もういいっすよ。
    俺の人生、ここから下り坂っすよ」

从;゚∀从「何言ってんだ? 十五歳で人生に悲観したのか?」

('A`)「いや、もういいんです。どうせ、俺なんて漫画家を夢見る現実の見えないアホの一人なのは事実ですし」

俺は大きくため息をついた。

明日から、どうしよう。
机の中にタクアン入れられてたら俺はどんな顔をすればいいんだ・・・。

从 ゚∀从「あん? なんで漫画家を夢見たらアホなんだ?」

('A`)「いいですよフォローなんて。
    存分に笑ってくださいよ。もうどうでもいいんで」

俺は俯きながら、再びため息。
こんなもんか・・・。平穏に過ごそうと日々努力して、話合わせて、
興味もねーテレビ番組も必死に追って。

そんなむなしい努力にピリオド一つ。
いいさ。明日から、そういうめんどくさいモノから解放されて、楽になるんだ。

そう考えれば、悪くない。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:26:25.01 ID:bx+5NkgR0

从 ゚∀从「笑わねーよ」

('A`)「え・・・?」

不意に、金髪さんが予期せぬ答えを返してきた。
俺は顔を上げる。

从 ゚∀从「何で夢見て努力してる奴を笑うんだ?
     そっちのほうが意味わかんねーぜ」

('A`)「え・・え? でも、その」

从 ゚∀从「なんだよ」

俺はもにょもにょと口ごもる。
驚きと少量の喜びが入り混じって、うまく言葉に出来ない。

从 ゚∀从「男ならはっきり言わんかい!」

ドン!

(;'A`)「ひっ! は、はい。あの、だから漫画家志望っていったらオタクっぽいし
     笑われるかと思って・・・ました、はい」



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:30:41.65 ID:bx+5NkgR0

从 ゚∀从「ふーん。そういう事か」

金髪さんは、俺の顔を覗きこむようにして言った。
顔が近い。
彼女の吐息がかかってくすぐったい。

とか意識したら生唾が出てきて音を立てて飲んでしまった。
いかん。女子慣れしてないから、緊張と心臓の超高速鼓動で死にそうだ・・・。

从 ゚∀从「腕かせーい」

(;'A`)「へ?」

从 ゚∀从「いいから、腕出してみ」

金髪さんは、無理やり俺の腕を引っ張り出すと、手首の辺りをしっかりと掴んだ。
女の子の手の感触。実に柔らかと。

(;'A`)「な、何・・・?」

あかん。また意識してしまった。
この感触、やばかよ~~・・・!


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:34:23.36 ID:bx+5NkgR0
 
なんて、女の子特有の感触を楽しんでいたのも束の間。
金髪さんが右手を振り上げて

从 ゚∀从「しっぺーーーー!!」

ばっしぃぃぃん!

(;'A`)「いったぁぁぁぁぁあ!!!血管折れた!!」

思い切り振り下ろした。
とんでもねーしっぺが炸裂したのである。
俺のHPバーが黄色になった。イメージね、イメージ。

从 ゚∀从「ふう・・・。いいしっぺだった」

(;'A`)「ふう・・・じゃないでしょーが!いきなり何すか!いじめですか!?
     三秒ぽっきりインスタントいじめですか!?」

从 ゚∀从「どうどう、落ち着け・・・えーっと、サダマサシ君?」

(;'A`)「誰がマーシーじゃ! 俺はドクオ! 三年四組の鬱田ドクオ十五歳!」




50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:39:16.81 ID:bx+5NkgR0

从 ゚∀从「そうか。あたしはハイン。名字は高岡。
     よろしくな、マーシー」

(;'A`)「だからマーシーじゃないっつーの!
     で、さっきのしっぺは何!?」

俺の怒りとは裏腹に、ハインはにこやかぁに言った。

从 ゚∀从「いや、なんか腑抜けっぽかったから、根性入れのしっぺみたいな?」

(;'A`)「みたいな、で強烈しっぺやられたらたまんねーよ!
     あー、いってぇ・・・アザになったらどうすんのよこれ」

俺は叩かれた部分をさすりながら、息をふーふーかけた。

从 ゚∀从「まぁまぁ。それよりさー、漫画見せてよ、漫画。
     あたしもさ、漫画、好きなんだよね」

('A`)「・・・はい?」


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:42:16.92 ID:bx+5NkgR0

……



そんな訳で(どういう訳だ)
何故かハインとかいう不良っぽい女子に漫画を見せる事になった俺。

場の流れって怖いな、しかし。

从 ゚∀从「ふぅん・・・」

(;'A`)「ど、どう?」

指差して笑われるかと思ったけど、ハインは意外と真面目に読んでくれた。
俺は膝の上に手を乗せて、緊張の面持ちで評価を促す。

从 ゚∀从「うん」

ハインは頷き、原稿から目を離した。
そして一言。

从 ゚∀从「意味不明」

('A`)「……」

俺は今すぐ窓を突き破ってガラスで自分の喉を突き刺したくなった。


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:46:10.37 ID:bx+5NkgR0

('A`)「よし、死のう」

从;゚∀从「待て待て待てぃ!どんだけメンタル豆腐なんだお前は!」

立ち上がろうとする俺の肩を、ハインが掴んだ。

(;A;)「うるさーい!魂込めて血涙流して描いた自信作を、意味不明の四文字で表された
     俺の気持ちがわかるかー!!」

从;゚∀从「だってしょうがねーじゃん。意味不明なんだもん」

('A`)「うおおおおおお!!ドクオ、死にまぁぁぁす!」

从;゚∀从「どうどうどう。だから、理由くらい聞けって!
      お前、ほんとに漫画家志望かよ!?」

そんな事を言われ、俺はぴくりと体を震わせた。
涙を目いっぱい堪え、振り返り、やっぱり涙を流しつつ席に座る。

(;A;)「ちくしょう・・・まだいたぶるつもりか!この悪魔め!」

从;゚∀从「あのなぁ。こんなんで一々死んでたら、漫画家どころか普通の人生だって歩めねーぞ?」


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:49:42.66 ID:bx+5NkgR0

ハインは俺の魂込めた力作(意味不明)を机の上に広げ、指をさしながら言った。

从 ゚∀从「まず聞きたいんだけど、最初の一ページ目・・・これ、何?」

('A`)「ぐす・・・。見れば分かるだろ。主人公の属する組織と、敵対組織の現状の説明と、
    主人公の簡単な自己紹介と、これから出てくる敵の特徴、能力の煽り、それからこの世界で使われる用語の・・・」

从 ゚∀从「意味不明」

('A`)「・・・」

从 ゚∀从「・・・」



('A`)「うわぁぁぁぁぁぁ!!ぬわぁぁぁぁぁあーーー!!」

ガンガンガン!!

从;゚∀从「ちょっ!机の角に頭をぶつけると死ぬぞオイ!」

脳内出血死寸前で、俺の自殺は未遂に終わった。

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 21:53:30.90 ID:bx+5NkgR0
数分後。

从;゚∀从「ようするに・・・一ページ目は丸々説明につかった訳だな?」

(;A;)「そう、です・・・グス。死なせて・・・」

俺の精神はすでに瀕死。
リストカッターも真っ青の状態であった。

从;゚∀从「お前、よく今まで生きてこれたな……。まあいいや。
      ともかく、ラノベ原作の漫画じゃねーんだから、この詰め込み説明やめろ」

('A`)「何で」

俺はハインを睨みつつ、問う。内心悔しいのです、ギギギ・・・。

从 ゚∀从「醜い。じゃなかった、見にくい」

('A`)「・・・」



(;A;)「描けない豚はただの豚じゃーーーー!!うおおおおおっ!!!」

ガンガン!!

从;゚∀从「よせ!!豚だって育てれば立派なロースになる!!」




68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:01:21.61 ID:bx+5NkgR0

('A`)「俺、卒業したらパイロットになるんだ・・・」

从;゚∀从「中卒でパイロットになれるわけねーだろ。
      で、次の指摘いっていいか?」

('A`)「どんとこい三四郎」

どうやら、俺のメンタリティは限界を突破して開き直っちゃったようである。
もうどーでもいーや。好きに犯してマイMANGA!

从;゚∀从「大丈夫か? 目が死んで……いや、突っ込むのはやめとくか。
      で、この漫画、一番痛いのは全体的に見て設定がちぐはぐなこと。
      全てのキャラの行動に理由がないんだよ。だから、あたしは意味不明の四文字で片付けたわけ」

('A`)「理由・・・?」

从 ゚∀从「そ。例えばさ、主人公の属してる、このファなんとかっていう組織。
     何が目的なの?」

('A`)「え、そりゃ敵対組織のドラゴンブレスケアの世界征服を止める為に・・・」

从 ゚∀从「その竜の口臭ケアは何で世界征服したいのさ」

('A`)「え? えっと・・・」

('A`)「なんとなく・・・かな」

再びしっぺ炸裂(描写は痛々しいので省略)

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:04:18.83 ID:bx+5NkgR0

(;'A`)「血管の青筋がプチンいった!あたたたた・・・」

从#゚∀从「ドクオォォォォ!!!」

('A`)「あ、はひ!」

もの凄い形相のハイン。鬼もパンツ巻いて逃げ出しそうな勢いである。
そしてビシィと俺を指差し、ハインは言った。

从#゚∀从9m「あんたは漫画をなめている!!!」




('A`)「ぺろぺろ?」

从#゚∀从「しっぺ二十式ーーーーーーー!!!」

バシィィィン!!

(;'A`)「あぎゃーーーー!!!ワシのしっぺは百八式まであるってかーーー!!」


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:09:19.93 ID:bx+5NkgR0

(;'A`)「いい加減しっぺでオチつけるのやめーや!」

从 ゚∀从「お前何キャラだよ?・・・じゃなくて。
     とにかく、お前は何も考えずフリーダムに漫画描きすぎ!」

バン!と机を叩くハイン。一方、俺の左腕はしっぺの傷に苦しんでいた。
もう、何で俺がこんな目に・・・。うちは一族の悲劇ってレベルじゃねーぞ。

('A`)「でも、漫画ってフィクションなんだから・・・ねぇ?」

从#゚∀从「ねぇ?じゃねーよ!アマチュアなら別にそれでいいけどよ。
     プロ目指してんだろ、てめーはよぉ!」

ダァン!

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとー、机の上に足乗せないでくださーい」

遠くから響く、やる気の無い図書委員の声。
それに従い、ハインは足を机からおろし腕を組んで俺を睨んだ。

从#゚∀从「イライライライラ」

(;'A`)「あの、俺、擬音を口に出すほど怒らせるような事、言いました?」




78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:12:37.69 ID:bx+5NkgR0

それから、ハインはしばらく悩んだ後。

从#゚∀从「よぉし、お前。今日暇か?」

(;'A`)「え? あ、はい。まぁ・・・暇ですけど」

青春とは程遠い帰宅部なんです。
自分、不器用なもので・・・。

('A`)「あの、それで?」

从 ゚∀从「よし、放課後、下駄箱付近で待て」

(;'A`)「はい? えっと、なにゆえ・・・」

从#゚∀从「なにゆえもござるもねぇ! いいから待ってろこの野郎
     今日掃除当番だから遅れるけど逃げたら地の果てまで追い詰めて蹴るぞこの野郎豚野郎コラ!」

(;'A`)「ひぃぃ!は、はい。わかりました。豚ですいませんブヒヒ!」


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:16:42.15 ID:bx+5NkgR0

キーンコーンカーンコーン。
と、丁度キリのいい時に鳴り響くチャイム。

从 ゚∀从「わかったな? 放課後だぞ! 下駄箱付近だぞ!」

(;'A`)「は、はい。わかりました」

ハインは念を押しつつ、何度も振り返りつつ図書室から出て行った。
残された俺は、呆然と立ち尽くす。

(;'A`)「何だったんだ、一体・・・」

嵐のような昼休みだった。
もしかして、これって夢か? 図書室でうつらうつら舟をこいでしまった俺はこんなわけのわからん夢を。

ガラッ!

从 ゚∀从「逃げたらちん(ピー)こ蹴るからな!」

バタン!!

('A`)「・・・」

どうやら、こいつは夢ではなくてうつつのようであった。
さて、ドクオの運命やいかに?

ベンベンベンベンベン(三味線)



82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:20:43.50 ID:bx+5NkgR0
第一話『ドクオの二次元は少年漫画!……というのはうっそぴょん。
( ^ω^)「連載なんかするわけねーおwwwだりぃwwwww」

――

放課後。

('A`)「何か頭の上のほうがやかましいな・・・」

妙な頭痛を覚えつつ、俺は下駄箱付近でうろうろしていた。
それはもう、うろうろしていた。
時折、不審者を見る目で下級生の女子がこちらを見てきた。

('A`)「みせもんじゃねーぞバーロォーめ」

もちろん、超小声で呟いた。
本人方に聞こえちゃったら、大惨事になるのは目に見えていた。
これだから三次元は・・・。

と。

从 ゚∀从「しっぺーーーーー!!!」

(;'A`)「ほわっつマイケル!!!」

俺は背後からやってきたハリケーンシッペを横っ飛びで回避。
すぐさま八極拳の構えをとった。




84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:26:47.25 ID:bx+5NkgR0
('A`)「ホアァァァァ・・・って、ハインさんか」

从 ゚∀从「さん付けすんな肘打ち食らわすぞ」

('A`)「すいませんでした」
本気なのかギャグなのかわからんズレた会話をしつつ、俺は用件を聞くことにした。

('A`)「それで・・・何をするおつもりですか?」

从 ゚∀从「世界征服、とか超古いお約束ネタ言うと思ったかこのアンポンタン」
何故か俺の頭をはたくハイン。
まさか漫才をやるために呼びつけたわけでもあるまい。

从 ゚∀从「ついてきなー」

('A`)「え?どこいくんですか?」

从 ゚∀从「あたしんち」

まるでスーパーでもやしが十円よ、奥さんとでも言わんばかりの
超さらりフレッシュサラサラ洗顔料チックな感じに言ってのけたハイン氏十五歳♀。

俺の脳内にピンク色フラッシュレボリューション!

('A`)「ほ、ほう。いきなりお宅拝見ですか。さすりさすり」
俺はちんこをもんだ。

从 ゚∀从「東京湾に沈められたいのか?」

(;'A`)「見なかったことにしてくださいすいませんすいません」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:31:35.53 ID:bx+5NkgR0

やっぱり下ネタは滑ったときが怖いね。
気まずい空気のまま、すったかすったか歩く事十分。

('A`)「うわ、立派なお宅ですねー」

从 ゚∀从「レポーターみたいな事言ってないでさっさと入れ」

俺はハインに連れられ、お邪魔しまーすとささやかに呟きつつ敷居を跨いだ。

从 ゚∀从「二階にあたしの部屋があるから、ちょっとそこで待ってろ」

('A`)「は、はい」

ロボットみたいにぎこちなく歩き、俺は二階へ出陣。
ちなみに、用件は未だに明らかにされておらず、警察はさらに追及する方針です。

がちゃり。

(;'A`)「やべえなぁ・・・女の子の部屋に入るとかどういうことだよ・・・これ。
     って、ほんとにどういう散らかりようだよこの汚部屋はぁぁぁ!!」

目の前に汚部屋が現れた!ピピピ、データ解析中。
HP:単行本 こうげき:少年誌 ぼうぎょ:りぼん まほう:ヤング系漫画 すばやさ:どーじんしらしき物



91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:36:16.37 ID:bx+5NkgR0

(;'A`)「足の踏み場がなかと・・・」

俺はそーっとゆっくり歩みを進めつつ、何とかベッドに腰をかけた。
ベッドの上にも漫画やらコミックやら雑誌やら・・・。

(;'A`)「二次元と三次元の狭間かここは・・・」

初めて入った女の子の部屋は、俺になんともいえない感触を植え付けてさっさと居座ってしまった。
これが、あの不良っ子っぽいハインの部屋かよ~~~。人は見かけによらんというか、いやはや世も末じゃのう。

从 ゚∀从「ういっす。持ってきたぜ色々と」

部屋の主が、お茶代わりに大量の雑誌を抱えて入ってきた。
特に驚きはしない。

('A`)「なんですかね、そりは」

从 ゚∀从「うちの兄貴のサークルがつくってる本とか、色々」




94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:39:26.93 ID:bx+5NkgR0

そういって、ハインはホイホイと無茶なスペースにそれを広げて見せた。

从 ゚∀从「えーっと、少年誌っぽくてエロなしだと、これかな。
     ほいよ。読んでみ」

('A`)「え、今?」

从 ゚∀从「ごたごた言わずに読め。短いからすぐ読めるだろ?
     本件はそれから話す」

なんなんだ、とか言いつつ俺はハインから手渡された本を開いた。
漫画である。
表紙の絵は勢いがあって、いかにも少年誌!って感じだ。

('A`)「どれどれ・・・?」

俺は気軽にうっちゃり読み始めた。

そして十分後。


95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:43:12.43 ID:bx+5NkgR0

(;'A`)「やべ、面白れぇぇぇ!続きはどこじゃああ!!」

从 ゚∀从「だろ? 結構売れてたみたいだしな、それ」

('A`)「え、え? これってどこの雑誌にのってる漫画よおしえなさいよねえ」

俺は興奮して、ベッドの上でぽんぽん尻をジャンプさせる。

从;゚∀从「お前、人のベッドでよぉ・・・。
      ちなみにそれはどーじんし。アマチュアが描いた漫画だ」

('A`)「アマチュア? え、じゃあプロじゃなくて?」

从 ゚∀从「そ。大学生が描いた漫画。驚いた?」

うーむ。かにみそ。

('A`)「この驚きを芥川賞に例えようと思ったが無理だった」

从 ゚∀从「そうか。で、面白かったーで終わったらおめぇただの読者っしょ?
     自分の描いた漫画とどこが違ったか、言ってみ。何でもいいから」

ハインは髪をふわさぁ!とかきあげながら言った。
何の意味があるんだその動作は。



99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:47:29.20 ID:bx+5NkgR0

('A`)「作者が違う」

从;゚∀从「いや、根本的なとこじゃなくてよ・・・技量的にさ、ほら」

('A`)「うーんと・・・台詞が多い?」

从 ゚∀从「そうそう。いいとこついたねー」

ハインはその漫画をぱらぱら捲りながら説明開始。

从 ゚∀从「説明は必要最低限に抑えて、後は会話中心でしょ?
     これはねー、漫画だとテンポが重要だから、gdgd説明しないってこと!」

('A`)「ぬわんと!」

俺は仰け反って後ろのカーテンを壊した。

从 ゚∀从「そしてドクオの漫画は・・・ずばり」


从 ゚∀从9m「パソコンの説明書!!」

(;'A`)「バッキンジャップル!!」

俺は毛布を頭から被った。いい匂いがした。

( )「ふとんこぞう」

訳の分からんギャグをとばしておいた。

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:52:08.41 ID:bx+5NkgR0

(;'A`)「・・・えー」

ショックが隠せない俺。
ハインはまだまだ続けてラッシュを仕掛ける。

从 ゚∀从「絵は後々成長するとして、後はキャラの立ち居地もバランスがいい。
     ドクオのは役者多すぎつーか脇役がマイケルってなんだよどこの駅前留学の講師だよ。
     それから設定も無駄に出しすぎ。超人が意味も無く現代日本ウロウロすんなんで悪の組織は目的もなく
     なんとなくで世界征服すんな。あとヒロインがいねえまさかこの幼女がヒロインなのか絵下手すぎあと誤字多い」

('A`)「よし!死のう!」

从 ゚∀从「まあ落ち着けよ」

窓からヒモなしばんじーを仕出かそうとしたその時、ハインの手が俺の肩を掴んだ。

('A`)「死すら許されないのですか」
从 ゚∀从「お前には生きる義務がある。生きて罪を償え」
夕日が俺達を照らす。
从 ゚∀从「それにな・・・お前を待ってる人だっているじゃないか」
J( 'ー`)し「ドクオ・・・」
('A`)「お、お袋!」


いや、まあ買い物途中のお袋だったんだけどね窓から見えたのは。




102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 22:57:20.35 ID:bx+5NkgR0

从 ゚∀从「つまり、お前のは読む側――つまり読者の事を全然視野に入れてねえ。
     自己満足のオナニー漫画だ。これでプロになれたらおなか一杯胸おっぱいだバカチン」

('A`)「う、ぎぎぎ・・・」

俺は布団をぎりぎりと噛みつつ、しかしその通りだと思い当たるふしがちらほら。

そして、ふと力が抜けた。

('A`)「・・・そうだよな。俺みたいな厨房に、プロレベルの漫画が描けるわけないよな」

从 ゚∀从「・・・」

('A`)「俺、漫画家目指すのやめる。帰って経済の勉強でもするわ・・・」

俺は鞄をつかみ、ぺこりと頭を下げて部屋を出ようとした。
その時だった。

(´・ω・`)「むわてぇぇぇぇぇいい!!!」

(;'A`)「ひゃああっ!」

押入れの中からしょんぼり眉毛のぼさぼさ頭が現れた。
どーしてこーなるの?理解不能である。




105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 23:00:28.82 ID:bx+5NkgR0

誰だこの人。不審者か?
とか思いつつもハインはさして驚いていない様子。

(;'A`)「な、なんで押入れから・・・?」

(´・ω・`)「あのー、これ理屈じゃないんです。はー理屈じゃないのっ!」

(;'A`)「古い!」

突っ込みつつ、再度問う。

('A`)「で、何で押入れから登場したんですか?」

(´・ω・`)「良くぞ聞いてくれた。私はショボン、見ての通り、ハインの兄であり
      同人誌サークル『ブラストドーザー』の長である!」

聞いてねえよ。
とか思いつつ関係ねーやと思い踵を返す。

('A`)「じゃ、俺はこれで・・・」

(´・ω・`)「待つんだ少年。アメリカ大陸はすぐそこだ」

从 ゚∀从「おお、ジパング」

さあ、本気で帰りたくなってまいりました。


106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 23:04:22.59 ID:bx+5NkgR0

(;'A`)「あの、もうそういうのいいんで。俺、大人になることにしたんで」

(´・ω・`)「ばかもの! 少年よ、そんな簡単に夢を諦めていいのか!?
      夢は見るものじゃない、叶えるものなんだ!」

从 ゚∀从「兄貴、踏んでる踏んでる!」

(´・ω・`)「――え? アア! 我がサークルの冊子が!」

どたばた埃が舞いちる桜。
俺はすかさず部屋を飛び出し玄関目指して加速装置。

(´・ω・`)「甘い!」

('A`)「っ! は、早い」

(´・ω・`)「落ち着いて私の話を聞きなさい、少年。
      ――いいか、一回の挫折で諦めるような、弱い心では漫画家にはなれん!
      ああ、なれん!ちなみに私は未だになれておらん!」

从 ゚∀从「プギャー」

(´・ω・`)「うるさあい!今年こそ、今年こそ読みきり乗っちゃうもんね!
      同人誌のエロのほうが売れるとかそんなん全然ちゃうもんね!」


107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 23:07:50.15 ID:bx+5NkgR0

俺の肩をがっちり掴むしょんぼり兄貴。
何だよ、一体。もう、どうでもいいのに。

('A`)「いいんです。俺なんて、才能ないし」

(´・ω・`)「ばかちんこ三平!」

ばしーん!!
ビンタ張られた。何故だ。

(´・ω・`)「君は、メジャー移籍したギコ選手を知っているか?」

('A`)「ああ、はいまあ」

あの年俸三十億ドルのね。

(´・ω・`)「あの人はな、昔は物凄く野球が下手で、近所でも有名だったんだ。
      だけどな、毎日毎日、一所懸命練習した。変なギプスも通販で買ってつけたらしい」

('A`)「え? あのギコ選手が?」

☆ヒュウマのいかさまギプスを買ってたのか!
親父が買ったとおもわしきそれを、先日倉庫で見つけちゃったんだよね。


108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 23:11:36.28 ID:bx+5NkgR0

(´・ω・`)「そうだ。
      彼は毎日毎日毎日毎日、血のにじむような努力と人脈を生かして、
      やっとこさプロになって、ようやく苦労が報われたんだ」

('A`)「・・・でも、それは才能があるからでしょ?」

(´・ω・`)「そうやって逃げる奴は、いつまでたっても本当の自分の才能に気付かないんだよ」

しょんぼり兄貴は、急に優しげな瞳になった。

(´・ω・`)「夢ってのはさ、泥んこになって追いかけても、中々捕まえられないさ。
      でも、諦めずに必死に夢を目指して生きてる奴は、いつだってカッコいいもんさ。
      そして、最後まで努力し続けたやつが――一握りの運と才能を掴めるんだ」

('A`)「・・・でも」

ぽん。

(´・ω・`)「君はまだ若い。伸びしろがある。支えてくれそうな人もいる」

从 ゚∀从「は? あたし?」

(´・ω・`)ニコリ


109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 23:15:26.09 ID:bx+5NkgR0

(´・ω・`)「人生は一度きり。周りに流されたり、勝手に諦めたりしないで、
      勝手に終わらせたりしないで、やってみろよ。掴んでみせろよ夢ってやつを。
      男の人生ってのは、どこを切ってもスタートラインなんだからさ」

('A`)「・・・!」

俺の中に、電撃が走った。
ふと、右手を見る。毎日夜遅くまで描いていたせいか、いつのまにか出来たぺんだこ。

そして、左腕。
しっぺで赤くなった、手首。切れた血管。

( ^ω^)( ゚∀゚)

馬鹿にしていた、友達もどき。
いつのまにか、俺もあいつらと同じになっていたのか。

勝手に限界決めて諦めて。
頑張ってるやつらを後ろで笑って。

そんな人間は、かっこいいと言えるのか?いや、いえない。

俺は・・・

('A`)「綺麗なスーツを着た人生よりも・・・泥まみれの人生を選びたい」


112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 23:17:32.34 ID:bx+5NkgR0

(´・ω・`)「そうか」

しょぼくれ兄貴さんは、再びにこりと笑った。
そして、俺の肩に触れる手の平。

从 ゚∀从「かっこいいじゃん、お前」

('A`)「ハイン・・・」

从 ゚∀从「これでようやく、スタートラインにたったな。
     同じ夢を持つ仲間として、ライバルとして、これからもよろしくっち」

ハインは、俺と握手を交わす。
ん? 同じ夢って。

('A`)「じゃあ、ハインも漫画家を・・・?」

从 ゚∀从「そうだよ。やや、学校では秘密にしてたけどねー。
     たぶん、理由はあんたと一緒」


115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 23:21:09.27 ID:bx+5NkgR0

ハインは「でも」と言って

从 ゚∀从「やっぱコソコソやんのは割にあわねーな!
     あたし、明日カミングアウトするわ!うん!」

('A`)「え・・・?で、でも」

从 ゚∀从「自分に嘘はつきたくねーし、さ!」

太陽みたいに笑うハイン。
その笑顔は、夢を追う人間の、活き活きとした表情だった。

そっか。
周りを気にして自分に嘘をついていたら、いつか嘘が本当になってしまう。

('A`)「うん。俺も・・・明日あたり、皆にカミングアウトするよ」

从 ゚∀从「へへ、そっか。何か嬉しいな~~~ちくしょう!
     んじゃさ、これから昼休み、図書室で打ち合わせしねえ?」

('A`)「うん。出来るかわかんないけど、アドバイスしあったり、持ち込みとかも一緒に・・・
    あ、何か楽しくなってきた。何だこれ、わくてかが止まらない!」

     

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 23:25:27.29 ID:bx+5NkgR0

俺とハインは、お互いにあーだこーだ言いながら、笑った。

(´・ω・`)「ふふ、夢を追う若者はいと美しき・・・。
      おっと、こうしちゃいられない。僕も新作描かないと☆」

しょぼくれ兄さんは、チャキっとポーズを決めて爽やかに部屋から出て行った。

('A`)「ありがとう、しょぼくれ・・・」

从 ゚∀从「へっ。つーかあいつ、あたしの部屋の押入れの中で何を・・・?」

俺はしょぼくれ兄さんの背中に向かって、頭を下げた。


『鬱田ドクオ十五歳。春のうららの五月中旬。
 若者漫画家杯、いよいよ夢へのスタートラインにつきました。
 さあ、ドクオ選手、果たして完走できるのでしょうか?

 いよいよ、長い長い夢へのフルマラソン時々短距離走、スタートです!』


117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 23:28:41.15 ID:bx+5NkgR0
 
 エピローグ


(;'A`)「だぁぁぁかぁぁぁらぁぁぁ!!
     主人公は覚醒しなきゃだめなんだよ!燃えないの!」

从#゚∀从「だからってこの場面でするか普通!? 伏線やっとけよせめて!」

もうじき夏がやってくる頃合。
クーラーのきいた図書室で、漫画家志望の夢追い人二人はぎゃーすか騒いでいた。

(;'A`)「え?じゃあなんすか。この強敵をパンチ一つで倒せと?
    どんだけ~~~~ご都合主義なんですかぁぁぁん?」

从;゚∀从「あーあー、うぜえうぜえ!力VS力じゃなくて知能使えって言ってるのに
     どーして気付かないかなこのシンプルイズベスト方式漫画家志望は!」

('A`)「音楽性の違いですね」

从 ゚∀从「解散しちゃう? ああ? やっちゃう?」








122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 23:32:02.35 ID:bx+5NkgR0

お互いににらみ合い、むむむと唸ってはぁとため息。

('A`)「・・・やめよう。不毛だ」

从 ゚∀从「・・・だな」

衝突を繰り返しては、互いの漫画の批評を繰り返しやっぱり衝突する俺達二人。

結局、衝撃のカミングアウト↓

('∀`)「いえぇぇぇい!俺の夢は漫画家だぜヒャッホー!
    年俸百億万ドル(予定)だから玉の輿ねらいたきゃ今のうちにつばかけとけよ女子諸君!」

以降、友達もどきは消えてなくなり、俺は空気になった。
ザ・エアーである。教室の二酸化炭素である。

で。

図書室にいる昼休みと、ハインの家でわーわーやる放課後だけが、
俺という存在をなんちゃらかんちゃら。



123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/21(金) 23:35:09.72 ID:bx+5NkgR0
('A`)「いかん、頭がぼーっとしてきた」

从 ゚∀从「だな。お茶でものもーぜ」

ハインはペットボトルを取り出し、俺に手渡す。

('A`)「おごり?」

从 ゚∀从「まさか。二百円になりまーす」

(;'A`)「高くない!?」

从 ゚∀从「手数料と、愛情料。なんつってなー」

言って、笑うハインと赤面する俺。
ふざけんな。三次元でラブコメなんて絶対にしねーぞ俺はよー。

夢を追う為に、俺は人生を二次元に注ぎ込むことに決めたんだから。

後に、人はおれの事をこう呼ぶだろう。

('A`)「二次元野郎、ドクオとな!!」
ξ゚⊿゚)ξ「静かにしてくださーい」

図書委員の、やる気の無い声が俺のタイトルコールを踏みにじった。
こわやこわや。


fin


128 名前:1 ◆zpW0mlvJcY投稿日:2008/11/21(金) 23:39:14.06 ID:bx+5NkgR0

・あとがき

どーもー!いやぁ皆さんこんばんわ!初めての方は初めまして~~!!
さてさて、読んで頂いてまずはありがとうサンクスサンクス!え?うざい?
やだなぁ僕と皆さんの仲じゃないですかうわなにするやめ(ry ふう・・・。

この話は前から考えていたもので、とある人と馴れ合っていた時に。

ぼく「バクマンって何で男ペアなんでしょ~~普通男女でしょ」
おっさん「なんで?」
ぼく「だって男女ならほらあれとかあれとか!!」
おっさん「ぬわに~~~じゃあすぐに描くんだ!!」
ぼく「漫画はかけまへんよ」

そんな訳でぶーーーーーん系小説としてお届けしましたけどいかがでしたかな~~~?☆
んじゃ!そろそろ妹がぶーぶーわめきはじめたんで、このへんで、読者様もいっしょにーせーのっ!

おいとまー♪

('A`)二次元野郎ドクオのようです
ttp://jfk.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1227266808/





  
NEW / TOP / OLD
★僕の小規模なブーン系生活  ★Author→小規模/ブーン系生活

  ★Designed by MACAREO
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。