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27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/12(木) 23:48:30.89 ID:Uk7kMBMO0
第二話【美しい国】


( ゚∀゚)「おい! 昨日のニュース見たか?」


朝、さっそくクラスはその話題で持ちきりだった。


( ^ω^)「見たお見たお。首相暗殺」

('A`)「暗殺ってレベルじゃねえよな」

首相の乗っていた車が蜂の巣状態でテレビに映っていたのを思い出した。


ξ゚⊿゚)ξ「まあ国民が苦しんでる横でマンガ読んでる首相は殺されても文句言えないわよね」

(;^ω^)「ツンさん怖いッス……」

( ゚∀゚)「動機はなんだろうな」

('A`)「ペットの仇とか?」

( ゚∀゚)「ドクオ不謹慎だからwwwww」


一国の総理大臣が殺された。
それでも、僕らはいつもと変わらず平和な一日を過ごそうとしていた。
なんて平和で、美しい国。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/12(木) 23:50:15.48 ID:Uk7kMBMO0
( ´∀`)「今日の掃除当番は3班モナ。じゃあ終わりモナ」

(*゚ー゚)「きりーつ。きおつけー。れー」

「さよならー」


( ^Д^)「おーいブーン」

( ^ω^)「お?」

隣のクラスのプギャーだ。
たしか結構なDQNだった気もするが。

( ^Д^)「今日塾だよな?」

( ^ω^)「時間まで自習室にいようと思ってたとこだお」

( ^Д^)「よし、一緒に行こうぜ」

そういやコイツも同じ塾だったか。
去年同じクラスだったぐらいの知り合いだけど。

( ^Д^)「それとよ、塾行く前に新宿の紀伊国屋寄ってきたいんだけど」

( ^ω^)「でも新宿は定期券g」

( ^Д^)「OK? ありがと!」

( ^ω^)「……」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/12(木) 23:51:45.27 ID:Uk7kMBMO0
( ^Д^)「あーやだやだ、人がゴミのようだね。これだから都会は嫌いなんだ」


プギャーが愚痴をこぼした。
確かに今日は人が多い。


( ^ω^)「新宿だししょうがないお」

( ^Д^)「しかも空気が汚ない!」

( ^ω^)「お?」


急に後ろから肩を掴まれた。


从 ゚∀从「よう、また会ったな」


最悪だ。
なんで2日連続で会うんだ。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/12(木) 23:53:13.27 ID:Uk7kMBMO0
( ^Д^)「誰? 知り合い?」

( ^ω^)「いや、ぜんz」

从 ゚∀从「めっちゃ知り合い」


男は僕の肩に手を回した。


( ^Д^)「へぇ……なんつーか……個性的ですね」

从 ゚∀从「イカすだろ?」


男は白と黒のコートに身を包んでいた。


从 ゚∀从「そうだ、おまえにも良いものやるよ。俺のお気に入りだからな」


男は僕の頭を叩いた。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/12(木) 23:54:40.34 ID:Uk7kMBMO0
( ^ω^)「いや、いらないですお」

从 ゚∀从「いいから受けとれって。いつか絶対役に立つぞ」


そう言うと、男は懐から新聞紙で包んだ何かを取り出した。


从 ゚∀从「今は開けるなよ」


何だろうか。
意外と重い。
中身が気になったが、開けるなと言われたのだから開けないでおこう。


从 ゚∀从「じゃ、頑張れよ」

( ^ω^)「はぁ」


何を頑張ればいいのかさっばりわからないけど。
男は鼻歌を歌いながら去っていった。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/12(木) 23:56:07.56 ID:Uk7kMBMO0
( ^Д^)「変わった人が知り合いにいるんだな」


プギャーが不思議そうに言った。


( ^ω^)「いや、まったく知らない人だお。昨日会っただけだお」

( ^Д^)「それにしても変な服装だったな」


昨日はもう少しまともな服装だったが。


( ^Д^)「それ、中身なんだ?」

( ^ω^)「さあ。重いお」

( ^Д^)「開けてみようぜ」

( ^ω^)「でも今は開けるなって……」

( ^Д^)「いいじゃんいいじゃん」



その時だった。
爆音とともに視界は一瞬真っ白になり、僕は地面に叩きつけられた。
鳴り響く轟音。
それは、この美しい国が音をたてて崩れ始める音だった。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/12(木) 23:57:32.61 ID:Uk7kMBMO0
~~~~~~




( ・∀・)「名前、なんつったっけ」

川 ゚ -゚)「クーだ」


これで3回目だ。
そんなに私の名前は難しいだろうか。


( ・∀・)「この歳になると物忘れが酷くてね」


この男はいったいいくつなんだろうか。
男はニヤニヤと笑いながら、長い包みを取り出した。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/12(木) 23:59:08.56 ID:Uk7kMBMO0
( ・∀・)「今から僕らがやることは、ただの人殺しだよ」

川 ゚ -゚)「わかっている」

( ・∀・)「でも僕たちはやらなきゃいけない」

川 ゚ -゚)「ああ」

( ・∀・)「かけがえのない命ってやつを、大衆どもに教えてやるんだ」


私は包みを受け取る。
車の天窓を開き、そこから身を乗り出す。
見渡す限りの人。
生も死をも忘れた、動くだけの蛋白質。
それが人形のように綺麗に社会を構成している。


川 ゚ -゚)「本当に美しい国だ」

( ・∀・)「爆発の合図があるはず」


腕時計を見る。
ああ、もう動かないんだった。
高校の合格祝いに父が買ってくれた時計だが。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/13(金) 00:00:44.39 ID:eSimR97y0
川 ゚ -゚)「あとどのくらいだ?」

( ・∀・)「1分12秒」


あの日のことを思い出した。
助けを求める母と弟の声。
炎の中に飛び込む父の背中。
そして、火は誰一人返してはくれなかった。


( ・∀・)「開始」


男の合図と共に、数メートル先で車が吹き飛んだ。
私は包みを開き、中の機関銃を構える。
それでも人々は状況が理解できず、ただ立ち尽くすだけだ。
頭にくる。
拳銃を取り出し、側にいたカップルの男に銃口を向ける。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/13(金) 00:02:42.42 ID:eSimR97y0
川 ゚ -゚)「人は死ぬって知ってたか?」


私は引き金を引いた。
赤い血が飛び散り、後ろの壁に花のように咲いた。
悲鳴が聞こえる。
至るところで襲撃が始まったようだ。
私も機関銃を構え直し、人混みを掃射した。


( ・∀・)「なるべく即死はさせるなよ」

川 ゚ -゚)「無理な話だな」


男が車を発進させる。
逃げ惑う人々。
一瞬にして辺りは血の海に変わった。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/13(金) 00:04:56.31 ID:eSimR97y0
( ・∀・)「足を狙えって」

川 ゚ -゚)「だから無理だ。物凄い揺れるんだぞ」

( ・∀・)「運転交代。ちょっと貸してみ」

川 ゚ -゚)「だめだ。私は無免許だ」

( ・∀・)「人を殺しながら言うことかい?」

川 ゚ -゚)「関係ない。これは誰かがやらなきゃいけないことなんだろう?」

( ・∀・)「ああ、その通りだな」


銃声と悲鳴に混ざって、男の笑い声が聞こえる。
私はそれを聞きながら、ただただ引き金を引くだけだった。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/13(金) 00:06:33.13 ID:eSimR97y0
~~~~~~



(;^ω^)「……」


身体を起こして、僕は目の前の光景を疑った。
まるで映画のワンシーンに引きずりこまれたような、そんな違和感に襲われた。
ぱっとみ十人くらいだろうか。もっといるかもしれない。
武装した人たちが、人混みの中で銃を乱射している。
ここはいったいどこなんだ?


(;^Д^)「……」


隣でプギャーも言葉を失っている。
人がゲームのようにばたばたと倒れていく。


(;^Д^)「……逃げよう」


先に口を開いたのはプギャーだった。
僕は立ち上がり、プギャーの後を追った。

(;^Д^)「駅の中へ逃げればきっと……」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/13(金) 00:09:00.06 ID:eSimR97y0
そのとき僕は見た。
血を流しながら駅から出てくる人々を。


(;^ω^)「無理だお!」


駅の中にも銃を持った奴らがいるんだ。


(;^Д^)「もうどうなってんだよ!」

(;^ω^)「とりあえず走るお! 人目のつかないとこへ!」

(;^Д^)「人目のつかないとこなんて」

(;^ω^)「わかんないけど走るお!」


振り向くと同時に、アルタビジョンが轟音をたてながら崩れ落ちた。


(;^ω^)「なんなんだお……」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/13(金) 00:11:01.23 ID:eSimR97y0
視界の隅で、赤い何かがはでた。
顔に生温かいものがかかる。
これは……血?
僕は隣を見た。
そこに立っていたのは、顎を撃ち抜かれたプギャーだった。


(;^ω^)「ああああああああああああああ!!!!」


僕は膝をつき、吐いた。


( ^ ^)「あ……ぁ……」

(;^ω^)「はぁ……はぁ……」


プギャーが助けを求めるようにこっちを見る。
でも、顎を失った彼の口からは微かな空気の音が洩れるだけだった。


次の瞬間、僕は走っていた。
僕は一人で走っていた。
途中、血塗れの死体を飛び越えた。
目の前で人が撃ち殺されても構わず走った。
ただ、死にたくなくて、ひたすら走った。

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/13(金) 00:14:07.41 ID:eSimR97y0
~~~~~~



( ・∀・)「見ろ」


男は車の中に設置された小型テレビを指差した。
ニュースキャスターが緊迫した表情で口ばやに何かを喋っている。


( ・∀・)「『全国同時多発テロ』だそうだ」


私は車の外を見た。
私がこの手で作り出した景色だ。


( ・∀・)「まったく、テロだなんて人聞きの悪い」

( ・∀・)「これは救済だよ。生きる意味を失った奴隷たちへの救いだよ」


私は返事をしなかった。
車の外に転がっている少年の死体を見つめた。
私が殺した少年。
その最期の表情は、いつまでも私の目に焼き付いていた。

殺すならライオンヘアーの奴を殺せよな





  
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