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目次

2 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:07:33.42 ID:Bss6P1yI0






第三話【大衆は知る】


3 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:09:28.45 ID:Bss6P1yI0
どれくらい歩いたかわからない。
辺りは既に闇に包まれ、風が痛いくらいに冷たい。
線路に沿って歩いているのに、さっきから電車は一本も通らない。
街は、死んだように静まり返っていた。


( ^ω^)「やっと……ついたお……」


ホームを見て、僕はため息をついた。
ここもか。
ホームには夥しい量の血痕と、死体が残っていた。
駅前もそうだった。
僕は自分の家を目指してさらに歩いた。

4 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:11:11.97 ID:Bss6P1yI0
( ^ω^)「ただいま……だお……」


返事はない。
父親は帰ってきてないようだが、無事なのだろうか。
留守番電話が10件残っている。


『ブーン? あんた生きてんの?! 無事なら携帯出なさいよ! バカ!!』


全部ツンの声だ。
携帯を見ると着信が50件あった。
まったく気づかなかったが。


僕は部屋のベッドで横になり、目を閉じた。
プギャーは生きているだろうか。
僕は彼を見捨てた。
怖かったから。
自分は、ああなりたくなかったから。
僕は最低だ。

5 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:13:01.30 ID:Bss6P1yI0
手で顔を覆い、寝返りをうつ。


( ^ω^)「お?」


腰のあたりに、何か硬い物に触れた。
制服の上着のポケットを探ると、新聞紙の包みが出てきた。
あの変な男に貰ったやつだ。
僕はゆっくり包みをはがした。


( ^ω^)「……」


それは拳銃だった。
本物だ。
横にマガジンも添えてあった。
実弾が10発こめられている。
あの男はこの事件が起こることを知っていたのか。
これで僕にどうしろというんだ。
人を殺せとでもいうのか。


8 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:15:24.37 ID:Bss6P1yI0
その時、玄関のチャイムが鳴った。
いったい誰だろう。
こんな時に外を歩くなんて普通じゃない。
僕はズボンの後ろに銃を挟んで玄関に向かった。
チャイムが連打される。
騒々しいヤツだ。
僕は玄関の戸を開けた。


ξ゚⊿゚)ξ「あ……」

( ^ω^)「お……」



玄関には、目を真っ赤にしたツンが立っていた。
服は血で汚れているが、怪我はないようだ。


ξ゚⊿゚)ξ「ぶ、無事なら電話に出なさいよ!!」

(;^ω^)「そんなこと言われても、さっき帰ってきたんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「心配したんだから!」

( ^ω^)「泣いてたのかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「泣いてないわよ!!」

9 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:17:12.29 ID:Bss6P1yI0
ξ゚⊿゚)ξ「とりあえずシャワー借りるわ。血でべとべとよ」


ツンは家にあがるなり風呂場を目指した。


( ^ω^)「でもうちに着替えはないお」

ξ゚⊿゚)ξ「持ってきたわよ」


ツンは鞄を僕に見せた。


( ^ω^)「なんで自分ちで浴びないんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「誰も帰ってこないんだもん」

( ^ω^)「怖いのかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「違うわよ!!」

11 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:20:27.95 ID:Bss6P1yI0
ツンは洗面所に入るなり戸を閉めた。


「覗いたら殺すから」

(;^ω^)「わかってるお」

「あと、あんたも後で浴びたら? 顔とか酷いわよ」

( ^ω^)「あ……」


顔にさわってみる。
乾いた血がこびりついているのがわかった。
僕は台所でてきとうに顔を洗い、リビングのソファに腰掛けた。
父親は無事だろうか。
今日は当直でもないし、帰ってくるはずだが。
襲撃のせいで病院が忙しいのかもしれない。


12 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:24:43.13 ID:Bss6P1yI0
ξ゚⊿゚)ξ「ふぅ、さっぱりしたわ」

( ^ω^)「何か飲むかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「別にいいわよ。テレビつけましょ」

( ^ω^)「そんな気分じゃないお。それにこんなときに面白い番組なんて……」

ξ゚⊿゚)ξ「バカ? ニュースを見るに決まってるでしょ」

( ^ω^)「ああなる」


僕はテレビの電源を付けた。


『……戸締りの確認をし、外出は極力避けるようにしてください……』


NHKはずっと同じ放送を繰り返していた。
他の局は一つも映らない。


13 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:25:56.39 ID:Bss6P1yI0
ξ゚⊿゚)ξ「こんなんじゃ何もわからないわ」

( ^ω^)「しょうがないお。今きっと日本中が大変なことになってるお」

ξ゚⊿゚)ξ「これからどうなるのかしら……」


そのとき、ブザーとともにテレビの映像が変わった。
真っ白いへやに、一人の男が立っている。




『こんばんわ』





テレビに映っていたのは、紛れもなく父だった。

14 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:27:30.69 ID:Bss6P1yI0
(´・ω・`)『みなさんはじめまして、ショボンです』


僕の実の父親がゆっくり口を開いた。


(´・ω・`)『今この国で起きていること、全部僕が起こしました』

(´・ω・`)『僕は医者です』

(´・ω・`)『僕は、たくさんの命を救ってきました』

(´・ω・`)『ところが、僕がいくら命を救っても、人は人を殺します』

(´・ω・`)『誰も、命の大切さをわかってくれません』

(´・ω・`)『誰も、身近に存在する死を知りません』

(´・ω・`)『人は、死を意識し、精一杯生きることで初めて真の愛、友情、幸福を知ることができます』

15 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:28:54.41 ID:Bss6P1yI0
(´・ω・`)『今のあなたたちは、ただの動く人形です』

(´・ω・`)『僕は、あなたたちを救います』

(´・ω・`)『あなたたちに、死を教え、命を教え、生きることを教えます』

(´・ω・`)『そのために、僕は自らを捨てて犯罪者になります』

(´・ω・`)『これからしばらくの間、この国を世界一危険な国にします』

(´・ω・`)『人が死んでいるこの国を、死によって甦らせるのです』

(´・ω・`)『そして、この国は世界一幸せな国になると、僕は信じています』

(´・ω・`)『みなさん、精一杯生きてください』


映像は途切れ、画面には砂嵐だけが残った。

18 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:30:46.33 ID:Bss6P1yI0
~~~~~~



( ゚∀゚)「よし、異常なし!」


それにしても冷える。
外は真っ暗で、ひとっこ一人いねえし。
俺は電動エアガンをベランダに立て掛けて、部屋に戻った。


( ゚∀゚)「おい、兄者。見張り交代だろ」

( ´_ゝ`)「いやだよ。寒いし」

(#゚∀゚)「あ? てめえが言い出しっぺだろうが!」

(#´_ゝ`)「んな昔の話忘れたわ! 第一あんなオモチャで敵を倒せるか! もっとこう、アンチマテリアルライフルとか……」

(#゚∀゚)「んなもんあるか!」

20 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:32:38.91 ID:Bss6P1yI0
(´<_` )「おいバカども静かにしろ」


弟者がテレビを見ながら言った。


( ゚∀゚)「なんか新情報は入ったか?」

(´<_` )「なんも。さっきの映像きり、全く映らねえ」


弟者はため息をついてリモコンを放り投げた。


( ´_ゝ`)「腹減ったな」

( ゚∀゚)「食いもんはもうねえぞ」

(#´_ゝ`)「はぁ?! この家はどうなってんだよ!」

(#゚∀゚)「てめえらが食料全部使ったんだよ! 何が『流石風豪華ミックス鍋』だ! あんなの料理じゃねえよ!」

(´<_` )「まあ落ち着けおまえら。とにかく食料不足は重要問題だ」

( ゚∀゚)「その通りだ。で、どうやってその問題を解決するんだ?」


21 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:33:51.87 ID:Bss6P1yI0
( ´_ゝ`)「買い出しとか?」

(´<_` )「流石だな、兄者」

(#゚∀゚)「こんな時に誰が外に出るんだよ!」

(´<_` )「じゃんけんで決めよう」

(#゚∀゚)「そうじゃなくて、こんな危険なときに外に出るのは……」

( ´_ゝ`)「ほらジョルジュ、出さなきゃ負けよー最初はグー、じゃんけんぽい!」



(#゚∀゚)「……」



(´<_` )「外は冷えるから温かい格好してけよ」

( ´_ゝ`)「柿の種もついでに買ってきてくれ」


(#゚∀゚)「……」


23 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:35:04.82 ID:Bss6P1yI0
( ゚∀゚)「ちくしょう、マジでこええよ」


辺りはやけに静まり返っている。
ここで襲われたら生きて逃げられる自信はない。
兄者の助言でテニスバッグにエアガンを入れて持っているが、本物の銃に勝てるはずはない。


( ゚∀゚)「さみー。頼むから誰にも会いませんように」


あの角を曲がればコンビニがあるはずだ。



<ヽ`∀´>「ちょっと待つニダ」

( ゚∀゚)「ん?」


急にコンビニの入口を塞がれた。
制服からして地元の高校生だろう。
たしかDQN高校だったような。やっかいだ。

24 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:37:01.04 ID:Bss6P1yI0
<ヽ`∀´>「このコンビニはもうウリたちのものニダ」


面倒くさいヤツだ。


( ゚∀゚)「じゃあ金払うからなんか食料分けてくれよ」

<ヽ`∀´>「それは無理ニダ。食料はあげないニダ。でも金は貰うニダ」

(#゚∀゚)「はぁ?」


こいつは何をほざいているんだ。


<ヽ`∀´>「有り金全部よこすニダ」


この在日野郎め。
ぶん殴ってやろうとしたが、思い止まった。
コンビニの奥から仲間が出てきやがったからだ。
しかも金属バットを持っている。

25 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:39:19.24 ID:Bss6P1yI0
(=゚ω゚)ノ「ぃょぅ。おまえどこ校だょぅ」

( ゚∀゚)「どこでもいいだろ。柿の種とかでいいから、食いもんくれよ」

(=゚ω゚)ノ「やらねえっつってるだろうがょぅ」

<ヽ`∀´>「ちょっとそこのオヤジ待つニダ!」


見ると、中年の男が弁当を漁っている。
在日がそれを捕まえる。


「いいじゃないか! こんなにあるんだから!」

<ヽ`∀´>「ダメなものはダメニダ!」


そうこうしているうちに、どんどんコンビニに人が入ってくる。


26 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:40:55.72 ID:Bss6P1yI0
「ちょっとあんた取りすぎよ!」

「うるさいよこせ!!」

(=゚ω゚)ノ「てめえら調子乗るなょぅ!!」

「離せよ!」

<ヽ`∀´>「このコンビニはウリたちのものニダ!!」


コンビニ内で罵声が飛び交う。
取っ組み合いをしている奴らもいる。
この騒ぎにいい感じに紛れて食い物を貰うことにしようか。
俺は弁当コーナーへ向かった。
喧嘩をしている3人組の横で弁当をバッグに詰める。


「このガキが!!」


脇腹を鈍い痛みが襲った。

27 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:42:51.06 ID:Bss6P1yI0
脇腹を鈍い痛みが襲った。
膝を床に着き、顔をあげると男がこちらを見下ろしていた。


「そのバッグにいれたものを返せ!!」

(#゚∀゚)「てめえのでもねえだろ!」

「うるせえ!!」


もう一発蹴りがくる。
俺はそれを防ぎ、そのままタックルをした。
男は片足立ちの状態から地面に叩きつけられた。
急に後ろから羽交い締めにされる。
今度は違うヤツか。


「こいつのバッグにいっぱいあるぞ!」


ふざけやがって。
それは俺のバッグだ。
怒鳴ろうとしたが、首を絞められているせいで苦しくて声が出せない。
何人もが俺のバッグに群がる。

28 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:44:24.85 ID:Bss6P1yI0
「動くな!」


顔に真新しい引っ掻きキズのある男が叫んだ。
構えているのは、俺が持ってきたエアガンだ。
しかし、その顔には勝利の笑みが浮かんでいた。


「さあてめえら、持ってるものを全部床に置け」


コンビニが静まり返る。


「財布も置くんだ。そしたら一人ずつ入口からd」


鈍い、嫌な音が響く。
男はそのまま床に倒れた。


(=゚ω゚)ノ「ハァ……ハァ……クソ野郎どもが……」


さっきの高校生だ。
頭から血が流れている。

29 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:46:49.12 ID:Bss6P1yI0
彼が血のついた金属バットを床に放り投げ、エアガンを拾い上げる。


(=゚ω゚)ノ「てめえら全員ぶっ殺してやるょぅ」


俺の首が解放された。


(;゚∀゚)「がはっ……はぁ……」

(=゚ω゚)ノ「マジでてめえら殺してやるから、かくg」


店のガラスが砕け散り、高校生が宙を舞った。
血しぶきをあげながら、彼の体は空中で回転し、床に崩れ落ちた。



30 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:49:12.56 ID:Bss6P1yI0
断続的に鳴り続ける重低音。
足に焼けるような痛みが走る。
俺はそのまま棚の影に倒れ込んだ。


(;゚∀゚)「ぐっ……!」


腿からかなりの量の血が出ている。
銃弾が掠めたようだ。
俺は店の入口を見た。
数人の男が店の中に向けて銃を撃ち続けている。
このままじゃ殺される。
逃げようもない。
ちくしょう、どうしたらいいんだ。
本当に、脳裏に死という言葉がよぎった。
体の震えが止まらなくない。

32 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:51:00.55 ID:Bss6P1yI0
その瞬間だった。


(;゚∀゚)「うわっ!!」


轟音とともに一台の車が店に突っ込んできた。
しかも、うちの車だ。


(´<_`;)「やべえ! 人轢いたかもしれん!」

( ´_ゝ`)「気にするな! くらえ、目眩まし!!」

「くそっ!! 消火器か!?」


店内が一気に白い煙に覆われる。


(´<_` )「ジョルジュ、来い!!」


助かるならこの瞬間しかない。
俺は足の激痛を堪え、立ち上がった。

34 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:53:30.95 ID:Bss6P1yI0
(´<_`;)「はやくしろ!」


車のドアに手をかける。
誰かが腕を掴むのを感じた。


<ヽ`∀´>「頼むニダ! ウリも乗せてくれニダ!」


再び銃声が鳴り響く。


(´<_`;)「煙が消えてきた!」

(;´_ゝ`)「ジョルジュ、はやく!」


在日の目には涙が浮かんでいた。

35 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:55:13.14 ID:Bss6P1yI0
( ゚∀゚)「乗れ!」

<ヽ`∀´>「ありがとうニダ! 本当にありがとうニダ!」


( ´_ゝ`)「弟者、出せ!」

(´<_`;)「えっと、バックは……」


車が急発進し、銃を構えた男が弾き飛ばされる。


(;´_ゝ`)「前じゃねえよ! 後ろだよ!」

(´<_`;)「うるせえ! ちょっと黙ってろ!」


車はバックでコンビニから抜け出し、道路へ出た。
猛スピードで発進し、振り向いた頃にはコンビニは既に遠くにあった。

36 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:57:16.27 ID:Bss6P1yI0
(;゚∀゚)「やべえ、生きてる……」

( ´_ゝ`)「なかなかの運転だったぞ、我が弟よ」

(´<_` )「まあな」


俺は車の中にあったタオルで足を縛った。
保健で習った応急処置を本当に使うときがくるとは思わなかった。


( ゚∀゚)「おまえらが来なきゃマジで死んでたぜ」

( ´_ゝ`)「いやー、おまえんちから逃げるついでだしな。車の鍵は玄関にあったから拝借した」


どうやら家に帰るのも危険なようだ。

37 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/14(土) 23:59:41.24 ID:Bss6P1yI0
(´<_` )「これからどうするよ」

( ´_ゝ`)「俺らん家にでも行くか?」

( ゚∀゚)「おまえらのカーチャンがいれば安心できるな」

(´<_` )「今、家族旅行で誰もいないけどな」


俺は溜息をつき、隣で震えている在日を見た。
顔には殴られた跡がある。


( ゚∀゚)「おい、もう助かったんだから安心しろよ」

<ヽ`∀´>「でも……ぃょぅさんが……」

ぃょぅというのはあの高校生のことだろうか。


<ヽ`∀´>「ウリの友達はあの人だったニダ……ウリは韓国人だから友達がいないニダ……」


かける言葉が見つからない。
人が死んだのに。
こんなときどうしたらいいのか、俺にはさっぱりわからなかった。
在日は声を殺して泣いた。
俺はただ、黙ってそれを見ていることしかできなかった。

39 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 00:01:05.14 ID:jnJQ9ACf0
~~~~~~


ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと、ブーン?」


リビングを飛び出した僕の後をツンが追ってくる。
僕は父の部屋の戸を開けた。


( ^ω^)「……」


数年間、僕はこの部屋に入っていなかった。
最後にこの部屋に入ったのはいつだろうか。
なぜか父は僕が部屋に入ることを許さなかった。


部屋には何もなかった。
真ん中に置かれた、一枚の紙を除いて。


ξ゚⊿゚)ξ「この部屋は何?」


ツンが部屋の中を見回しながら口を開いた。
そう思うのも当然だ。
そこには人が住んでいたあとは全く残っていなかった。
そこは、ただの空間だった。
父は本当にここで暮らしていたのだろうか。

40 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 00:02:29.99 ID:jnJQ9ACf0
( ^ω^)「この部屋、父親の部屋だお」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーンのお父さんは今どこに?」

( ^ω^)「さっきテレビ映ってたお」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?」

(;^ω^)「何が起きているのか、僕にはさっぱりわからないお」


僕は部屋の真ん中の紙のところへ歩いた。


ξ゚⊿゚)ξ「何それ?」


封筒だ。
僕はそれを拾い上げた。


( ^ω^)「『息子へ』?」

41 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 00:03:56.65 ID:jnJQ9ACf0
封筒には一枚の紙が入っていた。


( ^ω^)「地図だお」

ξ゚⊿゚)ξ「どこの?」

( ^ω^)「よくわかんないけど、池とか川とかがあるお。千代田区千代田一番地?」

ξ゚⊿゚)ξ「それって皇居じゃない?」

(;^ω^)「そうかもしれんお」


ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと待って、裏に何か書いてあるわ」




『父はここにいる』


43 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 00:05:24.50 ID:jnJQ9ACf0
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと待ちなさいって!!」


ツンが僕の腕を掴んだ。


ξ゚⊿゚)ξ「どこに行くのよ!」

( ^ω^)「父親に会いにいくお」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたバカ?」

( ^ω^)「バカとは失敬な」

ξ゚⊿゚)ξ「外は真っ暗よ! というか、こんな時に外に出るなんて頭おかしいわ!」

( ^ω^)「ツンは僕の家に来たじゃないかお」

ξ;゚⊿゚)ξ「う……たしかにそうだけど……」

( ^ω^)「とにかく僕は行くお」


僕はツンの手を振りほどき、上着を羽織った。

45 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 00:07:18.59 ID:jnJQ9ACf0
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあせめて朝になってからにしなさい!」

( ^ω^)「なんでだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「暗いと危ないわ。明るくなったら行きましょ」

( ^ω^)「行きましょって、なんでツンも着いてくるんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「だめなの?」

( ^ω^)「だめではないけど……」


僕は死ぬ覚悟で父の元へ行くつもりだった。
でも、ツンまで危険な目に合わせるわけにはいかない。
必然的に僕はツンを守らなきゃいけなくなる。


ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ出発は明日の朝に決まりね! それまでにあんたは風呂にでも入りなさい!」


ツンに言われるままに、僕は風呂場に追いやられた。
湯船の中で、僕は父のことを考えた。
父は何を思っているんだろう。
父は、間違いなく僕が一番尊敬している人間だった。
だからこそ、僕は父がどうしてこんなことをしたのか知りたかった。

47 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 00:08:58.16 ID:jnJQ9ACf0
~~~~~~




从 ゚∀从「それにしても、皇宮警察特別警備隊って名前のわりには大したことねえな」


ハインが窓の外を眺めながら言った。


从 ゚∀从「さて、何日間もつかな」

( ・∀・)「長くて2日かな」


モララーが椅子に寝そべり、携帯を弄りながら答えた。


从 ゚∀从「さっきから何してんだ?」

( ・∀・)「女の子とメールさ」

从 ゚∀从「死ね」


48 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 00:10:34.68 ID:jnJQ9ACf0
从 ゚∀从「で、ショボンは何日もつと思う?」

(´・ω・`)「何日でもいいさ。期待はしてない」


所詮寄せ集めだ。
数千人の仲間のうち、本当に僕の考えに賛同している人なんてほんの一握りだろう。
大部分は、自分は殺されたくないからとか、かっこいいからとか、そういう理由だろう。
でも、別に構わない。


(´・ω・`)「僕らがやらなきゃいけないことは、一人でも多くの人間に死を教えることだ」

( ・∀・)「わかってるさ」

从 ゚∀从「でもさ、ショボンよお。あんたホントにすげえ人だわ。尊敬するわ」

(´・ω・`)「よしてくれよ。僕はそんなんじゃない」


尊敬か。
僕はブーンを思い出した。
はたして息子は来るだろうか。
もう一度息子の顔を見れるだろうか。





  
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