上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
目次

2 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:33:13.89 ID:/t3PV99v0





第四話【朝】
4 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:34:53.31 ID:/t3PV99v0
(*゚ー゚)「朝ね」

(,,゚Д゚)「ああ」


瓦礫の街に、朝の陽射しが射し込んでくる。
あれから何時間たっただろうか。
銃を持った奴らから必死で逃げていたのが、大昔に思える。


(,,゚Д゚)「おまえいつまでここにいんだよ」

(*゚ー゚)「あなたには関係ないわ。嫌ならどこかに行けばいいじゃない」

(,,゚Д゚)「おまえがどっか行けよ」

(*゚ー゚)「嫌よ」

(,,゚Д゚)「くそったれが」

5 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:36:55.34 ID:/t3PV99v0
俺は最早ぴくりとも動かせなくなった自分の下半身を見た。
左足は完全に潰れている。
もはや自分の身体の一部とは思えないほどだった。
痛みは麻痺し、冷たい感触だけが残っている。
こんな状態で生き残ったのは運が良いのか悪いのか。
しぃも動けないようだった。
地面に横たわり、まだうっすらと暗い空を眺めている。



(,,゚Д゚)「痛えか?」

(*゚ー゚)「もう痛みなんてとっくに忘れたわよ」

(,,゚Д゚)「だよな」

(*゚ー゚)「感じるのは死の足音だけ」

(,,゚Д゚)「なに感傷に浸ってんだよ。らしくねえ」

(*゚ー゚)「一度こんなセリフ言ってみたかったの」


しぃが笑った。
俺も笑った。

6 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:39:24.20 ID:/t3PV99v0
(,,゚Д゚)「俺ら、このまま死ぬよな」

(*゚ー゚)「あら、弱音? 情けないわね」

(,,゚Д゚)「俺にもたまにはそういう時があんだよ」


俺は笑った。
しぃも笑った。


(*゚ー゚)「そうね。私たち、死ぬね」

(,,゚Д゚)「あーあ、なんで死ぬ時までおまえがいるんだよ」

(*゚ー゚)「それはこっちのセリフよ」

(,,゚Д゚)「おまえが着いてくるのが悪いんだよ」

(*゚ー゚)「目的地が同じだったんだからしょうがないじゃない」

(,,゚Д゚)「なんでいつも俺の真似するんだよ」

(*゚ー゚)「真似してるのはあなたでしょ」

7 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:41:13.36 ID:/t3PV99v0
俺はため息をついた。


(,,゚Д゚)「くだらねえな」

(*゚ー゚)「くだらないわね」



(*゚ー゚)「私たち、5年間ずっとこんなことで言い争ってたのね」

(,,゚Д゚)「知り合ってから5年も経つのか」

(*゚ー゚)「中1から5年間同じクラスよね」

(,,゚Д゚)「どんだけ運が悪いんだよ」

(*゚ー゚)「そうね。最悪ね」

8 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:42:35.36 ID:/t3PV99v0
(,,゚Д゚)「それにしても寒いな」

(*゚ー゚)「当たり前じゃない。死ぬんだし」

(,,゚Д゚)「死ぬのって寒いのか?」

(*゚ー゚)「知らないわよ。死んだことないし。でもなんか寒そうじゃない?」

(,,゚Д゚)「なんでだよ」

(*゚ー゚)「だって死ぬのって一人ぼっちじゃない。一人ぼっちってなんか寒くて寂しそうじゃない」



(,,゚Д゚)「じゃあ一緒に死ぬか」

(*゚ー゚)「そうね」



10 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:45:11.18 ID:/t3PV99v0
俺は手を伸ばし、しぃの手を握った。


(*゚ー゚)「ありがと」


彼女の手は氷のように冷たくて、でも俺はもう寒くはなかった。



(,,゚Д゚)「5年間も一緒にいたのに、こんなに話したの初めてだよな」

(,,゚Д゚)「なんつーか、くだらない喧嘩ばっかしてたもんな」

(,,゚Д゚)「こうしておまえ普通に話すのも、意外と楽しいっていうか」


俺は空を仰いだ。
こんな空は初めてだった。

16 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:48:24.80 ID:/t3PV99v0
(,,゚Д゚)「あーあ、もっと早く気づきゃよかったよ」

(,,゚Д゚)「こういうの、人を好きになるって言うのかね」


俺は照れ隠しをするように笑った。


(,,゚Д゚)「なんかずっと俺一人で喋ってんな」

(,,゚Д゚)「どうせもう聞こえてないんだろ?」

(,,゚Д゚)「人を置いていきやがって」



もし生まれ変わっても、また一緒になるだろうな。
またくだらないケンカすんのかな。
次はもう少し、素直になれるだろうか。
俺は静かに目を閉じた。


17 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:49:51.70 ID:/t3PV99v0
~~~~~~



「おまえはさ、なんでこんなことしてんの?」

「わかんないんです。気づいたら銃持ってたんです」

「そうか。そんなもんだよな」

「でも、何かがわかる気がしたんです」

「何かって?」

「わかんないんです。でも、そんな気がしたんです」

「ふーん」

ξ゚⊿゚)ξ「やーっ!!」

「!!?」


ツンが塀の影から飛び出し、片方の男の後股間を蹴った。
しかもなんの躊躇もせず。
彼の声にならない悲鳴が響いた。

19 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:51:41.92 ID:/t3PV99v0
「おい!! ちくしょう、k……」


僕は銃を構えようとしたもう一人の男の後頭部をしたたかに殴った。
男はその場に倒れ、意識を失った。


ξ゚⊿゚)ξ「ナイスコンビネーションね」

( ^ω^)「完璧だお」

( ><)「お、おまえら……なんなんです……」


股間を蹴られた男がうずくまりながらこちらを見た。


ξ゚⊿゚)ξ「それはこっちのセリフよ! この人殺し!」

( ><)「なっ……僕はまだ一人も殺してないんです!!」


股間を押さえながら男は立ち上がった。

20 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:53:30.47 ID:/t3PV99v0
ξ゚⊿゚)ξ「あんたの仲間は人をいっぱい殺してるじゃない!」

( ><)「それは……」

ξ゚⊿゚)ξ「あんた、人を殺すことがいいことだと思ってんの?」

( ><)「そんなことないんです!」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあなんでこんなことしてんのよ!」

( ><)「……」


男は黙りこんだ。


( ^ω^)「ツン、もう行くお」

ξ゚⊿゚)ξ「ふん!」

21 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:55:11.16 ID:/t3PV99v0
( ><)「待つんです!」

ξ#゚⊿゚)ξ「何よ!!」

(;><)「ひいっ!!」


彼はどうやら完全にツンに心を折られてるようだった。


(;><)「こんなときに、どこへ行くんですか?」

( ^ω^)「あなたたちのリーダーに会いに行くんですお」

(;><)「え……」

( ^ω^)「じゃ、急いでるんで」

(;><)「あ、あの……」

( ^ω^)「?」

(;><)「気をつけてくださいなんです」

( ^ω^)「ありがとうですお」

22 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:56:54.66 ID:/t3PV99v0
ξ゚⊿゚)ξ「まったく、ああいううじうじした男見てるとムカついてくるわ」


ツンは落ちていた空き缶を思いっきり蹴っ飛ばした。
なるべく大きな音をたてないでほしいのだが、怖くて言えない。


( ^ω^)「でもいい人そうだったお」

ξ゚⊿゚)ξ「いい人なわけないじゃない! 人殺し集団の一員よ!」


それもそうだ。
どうしてあんな気の弱そうな人まで、こんなテロに参加しているんだろうか。
そんなにみんな、僕の父親の考えに共感したのだろうか。
僕には理解できなかった。

23 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 22:58:33.39 ID:/t3PV99v0
ξ゚⊿゚)ξ「あ……」


角を曲がったところで、ツンが一瞬立ち止まった。
破壊された家。
夥しい量の血の跡。
壁や地面、そこら中に残された銃痕。
そして死体。


ξ゚⊿゚)ξ「……行きましょ」


気を引き締めないとだ。
いつ、銃を持った奴らに襲われるかわからない。
僕は、ポケットの拳銃の重みを感じた。


( ^ω^)「なるべく見ないほうがいいお」

ξ゚⊿゚)ξ「へ、平気よ!」


僕は携帯で地図を確認した。
線路に沿って歩いていけば目的地には着くだろう。

24 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:00:13.70 ID:/t3PV99v0
その時、どこかで銃声が鳴り響いた。
何回も何回も。
悲鳴が聞こえる。


ξ゚⊿゚)ξ「近くない?」


すぐそばで声がする。
反射的に僕はツンの腕を掴み、近くにあった車の影に隠れた。


「おまえ何人?」

「今ので9人目。おまえは?」

「8人。1人差か」

「それにしても慣れって怖いな」

「ああ。人殺してるって感覚がないよな」


ぞっとするような会話が聞こえてきた。
僕らは男たちの声が聞こえなくなったのを確認し、車の影から出た。


ξ゚⊿゚)ξ「信じられないわ……」

25 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:02:23.66 ID:/t3PV99v0
( ^ω^)「まるで当たり前のように人を殺してるんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、あなたのお父さんはいったい何がしたいの?」


ツンは怒ったような目で僕を見た。


( ^ω^)「僕にもわからないお。だから会いに行くんだお」



しばらく僕らは何も話さず歩き続けた。
やがてツンが口を開いた。


ξ゚⊿゚)ξ「ブーンのお父さんってどんな人?」

( ^ω^)「僕が世界で一番尊敬する人だったお」


僕の母は僕が小さいころ病気で死に、僕は父一人の手で育てられてきた。
若くして医学部の教授となり、いろんな人に頼りにされていた。


27 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:04:18.13 ID:/t3PV99v0
( ^ω^)「僕も将来医者になりたいと思ってたお。父親に憧れて」

ξ゚⊿゚)ξ「ふーん」

( ^ω^)「だからなんでこんなことをしているか知りたいんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「ふーん」


( ^ω^)「ツンはなんで僕についてくるんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「わ、わたしは……」


ツンはなぜか動揺していた。


ξ゚⊿゚)ξ「あ、あんたが心配だからついてきてやったのよ!」

( ^ω^)「おっお。ありがとうだお」

ξ゚⊿゚)ξ「か、感謝しなさいよね!」


彼女が一瞬だけ、悲しそうな表情を見せたような気がした。
それきり、彼女は僕と目を合わせようとしなかった。

29 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:07:46.82 ID:/t3PV99v0
~~~~~~


川 ゚ -゚)「またあんたか」


いつも通りのニヤニヤ顔で男が出迎えた。

( ・∀・)「少しはメールの返信ぐらいしてよ」

川 ゚ -゚)「面倒だ」

( ・∀・)「まあ大した用事じゃないからいいけど」


男は車のエンジンをかけた。


( ・∀・)「それにしても人、いないねえ」

川 ゚ -゚)「そりゃそうだろう」

( ・∀・)「人を殺さなきゃ僕らの意味はないのに」

川 ゚ -゚)「まあその辺の家にならいくらでも潜んでるだろう」


家という家はカーテンを閉め切り、人の気配を隠そうとしている。
だが家を一軒一軒回っていくのも効率が悪い。


30 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:09:50.14 ID:/t3PV99v0
( ・∀・)「ショボンに、『なるべく多くの死を見せろ』って言われてるのになあ」


ショボンというのはあのテレビに映っていた男のことだろう。


( ・∀・)「時間がないね」

川 ゚ -゚)「?」

( ・∀・)「もうすぐこれも終わる」

川 ゚ -゚)「なぜだ?」

( ・∀・)「大阪、名古屋、各地で制圧が始まっている。この国だって自国を守るくらいの戦力はある」

川 ゚ -゚)「戦わないのか?」

( ・∀・)「無駄さ。傷を大きく広げる必要はない。ただ、より深く、一生消えないくらい刻み込めばいい」


より深くか。
私たちのやったことが無駄にならないように。


32 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:12:12.20 ID:/t3PV99v0
( ・∀・)「君はどうしてこれに参加しようと思ったんだい?」

川 ゚ -゚)「私は……」


火事で家族を亡くしたあの日のことを思い出した。
炎が何もかも、奪い去ってしまった。
私の家族はみな死んだ。
それでも、この社会は何事も無かったかのように動き続けた。
それがたまらなく憎かった。


( ・∀・)「僕はね、紛争地域で非政府組織として働いていたことがあるんだ」


( ・∀・)「地獄と変わらなかった。いつ死ぬかもわからない。怯えて眠れない夜も多かった」

( ・∀・)「そこでは、子供から大人まで、みんなが死を間近に意識していた」

( ・∀・)「彼らは生きることの本当の大切さを知り、必死に生きようとしていた」


( ・∀・)「あれが人間のあるべき姿だと思うんだ」


男は、やはりニヤニヤしながら、一人で頷いた。
彼なりに真面目な顔をしようと努力しているのだろうが。

33 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:14:24.84 ID:/t3PV99v0
川 ゚ -゚)「あれは?」


車は病院の前を通った。
病院の入口に人がたまっているのが見える。
なにやら騒ぎが起きているようだ。


( ・∀・)「おおかた病院に拒否された連中かな。軽傷だから看てもらえないとか」


男は車を停めた。


川 ゚ -゚)「殺すのか?」

( ・∀・)「んー。様子を見に行くだけね。もう銃とかはいいよ」


男は白黒の制服を脱いだ。
私は彼の言葉が少し気になったが、それに従い上着を脱いで車を降りた。





  
NEW / TOP / OLD
★僕の小規模なブーン系生活  ★Author→小規模/ブーン系生活

  ★Designed by MACAREO
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。