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目次

35 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:16:26.56 ID:/t3PV99v0
~~~【三十分前】~~~


('A`)「もうすぐ病院につくからな」

J( 'ー`)し「平気だっていってるじゃない」

俺はカーチャンをおぶって病院へ向かっていた。
カーチャンはガラスの破片で足を切っていた。

J( 'ー`)し「あんただって怪我してるじゃない。それに疲れるでしょ」

('A`)「もう高2だぜ? 母親一人おぶれなくて何ができるんだよ」

J( 'ー`)し「そうかい。たくましくなったねえ」


カーチャンは笑いながら俺の頭を撫でた。


('A`)「やめろよ」

J( 'ー`)し「やだ」

('A`)「やめろって」

J( 'ー`)し「ちっちゃい頃は『もっといこいこしてー』ってせがんだのに」

('A`)「昔は昔だ。ほら、病院つくぞ」
36 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:18:56.82 ID:/t3PV99v0
第五話【親と子と】



( ><)「起きるんです。起きるんです」

( ゚д゚ )「……ん、いってぇー」


男は頭を押さえながら起き上がった。


( ><)「大丈夫なんですか?」

( ゚д゚ )「なんとかな。あいつらは?」

( ><)「もう行ったんです」

( ゚д゚ )「ちくしょー、あいつら見つけてぶっ飛ばして……」

( ><)「すみません」

( ゚д゚ )「ん?」

( ><)「僕、もう抜けるんです」

37 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:20:32.79 ID:/t3PV99v0
静かな街を、僕は一人で歩いた。
途中で襲われたりしないように、服はそのまま脱がないでおいた。
遠くで銃声が聞こえる。
僕にはもう関係ないことだった。
これは、自分の求めているものじゃなかった。
僕が何を求めているのかはわからないけど。

気がついたら、僕は自宅の前にいた。
玄関の鍵はなぜか開いていた。


( ><)「おかあさん?」


返事はない。
廊下は足跡で汚れ、花瓶は割れて転がっている。


( ><)「おかあさん?」


('、`*川「あら、早かったのね」


リビングに母はいた。
部屋中を血で赤く染めて。

38 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:23:28.55 ID:/t3PV99v0
(;><)「おかあさん!!」

('、`*川「なにを焦っているの?」


僕が側に駆け寄ると、母は静かな声で言った。


(;><)「だって、おかあさんが大変なんです!!」

('、`*川「こんなのどうってことないわ。あれがあなたのやりたかったことなんだから」

(;><)「え……」


僕は思い出していた。
母にこのテロに参加することを打ち明けた日を。


「僕、テロに参加するんです」

そう言った途端、母は手を叩いて喜んだ。

「それがあなたのやりたいことなのね?」

「そうなんです」

あの時の母は本当に嬉しそうにしていた。

41 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:25:40.54 ID:/t3PV99v0
('、`*川「どうだった?」


母は今にも途切れそうな息で、でも目を輝かせて尋ねた。
まるで、僕が何か楽しいことでもしてきたような。


('、`*川「ワカンナインデスはどんなことをしたの?」

( ><)「僕は、何もしてないんです」


僕は答えた。


(;><)「こんなこと、僕のやりたかったことじゃないんです! おかあさんがこんな目にあって……」

('、`*川「そうかい」


母の声は沈んでいた。

42 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:27:39.61 ID:/t3PV99v0
('、`*川「ワカンナインデス、あなたはいつまでも、わからないままなのね」

('、`*川「あなたはいつも、言われたことしかやってこなかった。言わないことは何ひとつやろうとしなかった」

('、`*川「勉強もそこそこやり、部活には入らず、定期考査はいつも平均ぐらい」

('、`*川「何がやりたいのと聞けばいつも『わからない』しか答えない」

( ><)「……」

('、`*川「だから、あなたが自分でやりたいことを見つけたとき、おかあさんはすごく嬉しかった」

('、`*川「たとえそれがテロでも、殺人でも、おかあさんは嬉しかった」


('、`*川「でも、あなたはまた何もしないで帰ってきた」

('、`*川「どうして……どうして……」


母は泣いていた。

43 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:30:03.29 ID:/t3PV99v0
母の口から血が垂れた。
だんだん息も弱くなってきている。

(;><)「おかあさん! もう喋っちゃ駄目なんです!」

('、`*川「ワカンナインデス……」

母の冷たい手が僕の顔に触れる。

('、`*川「あなたの本当にやりたいことは何?」


僕のやりたいこと。
僕にはわからない。
いつもいつも逃げてきたから。
わからないふりをしていれば、楽だから。
そうして逃げて逃げて、いつのまにか本当に何もわからなくなっていた。


( ><)「わかんないんです……」

( ><)「でも、絶対に見つけてみせるんです……だから死んじゃダメなんです! 絶対に死んじゃダメなんです!」

('、`*川「そうかい」

母は微かに笑い、目を瞑った。

( ><)「今助けを呼んでくるんです! 待ってるんです!」

僕は家を飛び出した。

44 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:32:53.21 ID:/t3PV99v0
外には偶然にも数人の人が集まっていた。


( ><)「誰か、助けてくださいなんです! おかあさんが……」


火花が飛んだ。
地面に倒れると同時に、頭が割れるような激痛に襲われた。
思わず手で頭を押さえると、温かいものが手につく。
血だ。


「この野郎、ぶっ殺してやる!!」

「よくも俺の家族を!!」


ガンガンと響く頭の痛みの中で、人々の罵声が聞こえた。
僕は、自分の服装がまだテロリストのままだったことに気がついた。

45 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:35:00.38 ID:/t3PV99v0
(;><)「僕は……」

「この野郎!」


脇腹を蹴りあげられ、一瞬息がつまる。
更に別の足が僕の顎を蹴り飛ばした。


「この人殺しめ!」

「死ね!!」


ああ、もうだめだ。
このまま僕は殺されるんだ。
結局、僕は自分で何もできないんだ。
全身を襲う痛みに耐えながら、僕は涙を流した。
僕は駄目なやつだ。
おかあさんを助けることもできない。
おかあさんとの約束も守れない。
僕は駄目なやつだ。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/02/15(日) 23:36:25.77 ID:/t3PV99v0
銃声が聞こえた。
さらにもう一発。
血で霞む視界の中、男たちが蜘蛛の子を散らすように逃げていくのが見えた。


( ゚д゚ )「おい、大丈夫か?!」

(メ#)<)「ああ……おかあ……」


口の中が血だらけでうまく喋れない。
でもおかあさんを助けなきゃ。
おかあさんを助けなきゃ。

僕は家の中を指差した。


( ゚д゚ )「家? 家がどうしたんだ?」

(メ#)<)「おか……たつけな……きゃ……」

( ゚д゚ )「よくわかんねえけど、おまえの手当てしなきゃだし、家入るぞ」


僕は彼におぶられて家の中へ連れられた。

48 名前:↑トリつけ忘れた ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:37:55.23 ID:/t3PV99v0
('、`*川「ワカンナインデス……いるの?」

( ゚д゚ )「……!?」

(メ#)<)「おかあさんなんです」

('、`*川「ワカンナインデス? 帰ってきたの?」

( ゚д゚ )「……呼んでるぞ」

(メ#)<)「おろしてくださいなんです、ありがとうなんです」


僕は床を這って母に近づいた。


(メ#)<)「僕はここなんです」

('、`*川「ああ……ワカンナインデス……おかえり……」


母の手が僕の顔を撫でる。

50 名前: ◆r9HqBXUdP. 投稿日:2009/02/15(日) 23:39:38.91 ID:/t3PV99v0
(メ#)<)「ごめんなんです……また何もできなかったんです。約束守れなかったんです」

('、`*川「いいのよ……顔がこんなになるまで頑張ったんでしょう?」

(メ#)<)「でも……」

('、`*川「がんばり屋さんの息子を持って……おかあさん幸せだわ……」

(メ#)<)「……」

('、`*川「ワカンナインデス……立派な大人になってね……」


母の手が、力なく床に落ちた。


(メ#)<)「おかあさん? 死んじゃダメなんです! おかあさん?」

(メ#)<)「まだ僕は何にもしてないんです! これから頑張っておかあさんに見せるんです! だから返事をするんです!」


母は目を瞑って微笑んだまま返事をしなかった。
僕は声をあげて泣いた。
身体中の痛みなんて忘れて、ただ泣き叫んだ。





  
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